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五話
冒険者ギルドを後にして、門前宿を目指し歩いていく。
目的だった身分証はあっさり手に入った。
せっかく入門税を支払ったのだ、五日間は街中で情報収集に徹することを決め今日は早々に就寝してしまおうと目に入った宿に入る。
「いらっしゃい、お泊りで」
「あぁ、一泊お願いしたい」
「宿泊費は一泊銅貨五枚、食事をするなら銅貨一枚だ」
「それでは夕御飯と朝御飯を頼む」
懐から銅貨を七枚取り出し支払う。
「これが部屋の鍵だよ。御飯は直ぐ出すからその辺に座って待ってな」
女将さんの言葉にしたがい近くの席に腰を下ろすとパンと野菜と肉を煮込んだスープが出てくる。
質素なメニューだが値段を考えるとこんなものかと次々に口に入れ手早く食事を済ませてしまう。
「ごちそうさま」
女将に手をあげて軽く挨拶しながら二階にあがりあてがわれた部屋に入る。
部屋の中はベッドと棚があるだけのシンプルな部屋だった。
扉を閉めて身体と服にクリアの魔法をかけ汚れを落としベッドの中に入ると安眠の魔法をかけ意識を手放すのだった。