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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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四十二話

王宮での謁見が終わった翌日。

「師匠、王都の御飯って美味しいですね。値段が高いのが気になりますけど」

「外から色々な物が入ってきますが運び込んでいる分税がかかりますから」

「師匠に全部払っていただいて申し訳ない気持ちでいっぱいです」

「気にしないでください。私の用事は済みましたし今日はミリアーヌの用事を済ませてしまいましょうか」

「教会本部に行くんですね。どんなところなのか今から楽しみです」

料金を支払い教会本部に続く大通りを歩いていく。

幼い女の子が人混みで押され転ぶ姿を目撃する。

ぶつかった相手は人混みに紛れすぐにどこにいるのかわからなくなる。

残されたのは膝を抱えてわーわー泣く女の子と母親と思われる女性のみ。

ミリアーヌは女の子に駆け寄っていく。

「どこを怪我したのかな。お姉さんが治してあげるよ。痛いの痛いの飛んでいけ。ヒール」

瞬く間に擦りむいた膝が治る。

「ほら。もう痛くない泣きやめるよね」

「うん。お姉ちゃんありがとう」

何度もお礼を言う母子に手を振りながら笑顔で見送る。

「師匠、いいことをした後って気分がいいですね」

「そうですね。そろそろ行きますよ」

少し歩いたところにステンドグラスをこれでもかと使った立派な建て物にたどり着く。

「ここが教会本部ですか。立派ですね」

ミリアーヌを促し建物に入り込み聖堂にたどり着く。

「本日は教会へ何用でしょうか」

心象をよくするため多めにお布施を渡す。

「心づけですが」

「これはありがとうございます」

「ロッテムハルト教会からの推薦できました」

ミリアーヌが推薦状を取り出し渡す。

「聖女への推薦状ですね。ただいま大司教様にお渡ししてきますのでしばらくお待ちください」

信心深いわけではないのだがせっかく来たのだし祈りを奉げる。


浮遊する不思議な感覚の後、白い不思議な空間に漂っている自分に気づく。

魔術で転移したわけでもなく頭を悩ませていると脳に直接語りかけるように声が響いてくる。

「人の理からはずれし者よ。世界に危機が迫っています」

「世界に危機とは、それにここはどこなのでしょうか」

「ここは神界と人間界にある狭間の空間です。私の力で貴方の魂を呼び寄せました。人間の文明を幾度となく壊滅に追いやってきた破壊神の魔の手が迫っています」

「破壊神のですか。古代文明の遺跡からでてくる文献に記してあった」

「私の権能を使って歪な状態で留まっている貴方を一個の種として定着させましょう。これは福音ではなく呪いの類ですがあなたならうまく使いこなすことができるでしょう」

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