四話
教えて貰った道を周囲を観察しながら歩いていく。
街の雰囲気は適度に活気があり悪くない。
しばらく歩いていると剣をクロスした看板の建物が視界に入ってくる。
ドアを潜るとギルドに併設された酒場の喧騒が聞こえてくる。
建物内を見まわし丁度空いている受付を見つけ近づいていく。
「冒険者ギルドにようこそ、本日はどういたしましたか」
「冒険者登録をお願いしたいのですが」
「それではこちらに記入をお願いします」
渡された紙に必要事項を書き込んでいく。
全て書き終え受付に手渡す。
「ウィリアムさん、職業は魔術師ですね。今ギルドカードを発行しますのでしばらくお待ちください」
てきぱきと処理をしていく受付を眺めながら今後どうするか考える。
普通に冒険者をするつもりはないが情報収集の一環として仕事をしてみるのも手だろう。
「お待たせしました。こちらがギルドカードになります。登録ランクはFランクとなります。こちらの冊子は禁則事項をまとめたものになります。禁則事項に引っかかるとカードの失効になりますので必ず目を通しておいてください」
受付にお礼を言いながら併設された酒場に足を向けエールと軽食を頼み注文が届く前に冊子をパラパラとめくり目を通していく。
眠っている間に禁則事項の変更はなかったようだ。
注文が届きエールはちびちびと飲みながら冒険者達の話に耳を傾けてみるが特に有益な情報が入ることもなく会計を済まし本日の寝床を確保するべく店を後にした。