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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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三十五話

防壁の上で相手の動きを観察する。

このまま兵糧攻めを続けてくれる分にはこちらとしては助かるのだが。

相手の本陣と思われる場所から狼煙が上がりしばらくして敵兵が陣地に近づいてくる。

「ウィリアム殿、正面の敵はお任せした。私は中央で全体の指揮を取る」

「任されました。ご武運を」

押し寄せてくる敵兵を見て覚悟を決め出すつもりのなかった広域殲滅魔法の詠唱を始める。

「生者と死者の混じり合う狭間よ。我求めるは不滅の煉獄なり。我が名はウィリアム・フォン・マクロード」

敵兵を煉獄の焔が包み目の前では地獄絵図が作り出されている。

「ここは私が維持しよう。最低限の人員を残し他の防壁に回るように」

魔法を維持しながら一瞬呆けたような兵士に指示を出し他所の援軍に向かわせる。


◆◆◆

「なんなのだこの状況は。まるで地獄を見ているようじゃないか」

送り出した兵士が一瞬で焔に包まれてもがき苦しみながら息絶えていく。

「閣下。正面の軍はほぼ壊滅です。ですが相手の実数は少ないのです。他所が突破してくれるのを期待しましょう」

「そうだな。今更指示変更をしても混乱を巻き起こすだけか」

「それにしてもこれではまるで文献に残る大賢者を相手にしてるような」

「ぐぬぬ。結果が全てだ。何としても攻略せよ。このままでは敗軍の将として処罰は免れぬ」

「わかっております」

◆◆◆


正面の敵は広域殲滅魔法で片付けたが圧倒的に不利な状態は続いている。

ギリアムの采配が優れているのかなんとか突破を許してはいないがそれも時間の問題だろう。

一進一退の攻防が続く中、傭兵達が担当している区域が崩れかかる。

アルベドが乗り込んで来た敵兵を一掃する姿が見える。

援護にまわりたいところだがほとんどの兵士を他所の援軍に向かわせ一番手薄になっているここを離れるわけにはいかない。

手薄な所から続々と敵兵が上がってくる。

防壁の上で斬り合いを続けこちらの兵士がどんどん減っていく。

絶望的な中、後方の味方から歓声が上がる。

ここからでは何が起こっているのかはわからないが悪い事態ではないようだ。

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