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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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三十四話

「兵糧攻めか。ウィリアム殿のおかげで食料にまだ余裕があるのが救いか」

「各所に兵を配備するとして人数はギリギリですね」

「当初の目的である時間稼ぎは成功しているが領軍の来援待ちか」

「どれぐらいで来てくれると思いますか」

「来れる範囲の領軍は招集が終わっているはずだ。そんなにかからずに来てくれると思うのだが」

「何か不安になる要素でも」

「軍を統括するべき立場の私がここにいることでロッテムハルト伯爵家に領軍をまとめられそうな者がいない。我の強い諸侯もいる。足並みが揃わなければ烏合の衆と変わらん」

「ロッテムハルト伯爵家はそこまで人材に困っているのですね」

「反対はしたのだが必要最低限の指揮官以外は解雇されてほとんどここにいるんだ」

「圧倒的なカリスマでもあれば別ですが軍略に疎いという話でしたし手足となる将校も不足していると」

昔のロッテムハルト伯爵はカリスマに優れ、信頼の厚い将校も多かった。

ロッテムハルト伯爵軍は単独で帝国と渡り合えた程だ。


◆◆◆

「ロードベルト卿はおられるか」

足音荒くトーマス・フォン・ロッシウム子爵が天幕に入ってくる。

「トーマス卿か。何事か」

「領軍は揃っているのです。ご子息のギリアム殿を救援するべく進軍するべきです」

「またその話か。ハリー王太子がこちらに向かっている。それを待つと決定をしたではないか」

「それはそうですが今も孤立奮闘している味方を見捨てるというのですか」

「そもそも私は少数での出陣には反対だったのだ。それをごり押ししたギリアムの自業自得であろう」

「少数で貴重な時間を稼いだのですよ」

「私とて何も思わないわけではないが小を救って大を滅ぼすわけにもいかぬ。とにかくハリー王太子の到着を待つのだ」

◆◆◆


アーカディア帝国に囲まれて数日、帝国軍に動きはない。

することもないのでミリアーヌに回復魔法のコツを教えて過ごす。

睨み合いが続いていて怪我人がでていないので効果を直接確かめることはできないが腕前は間違いなくあがっているはずだ。

「ミリアーヌは飲み込みが早い。才能に恵まれているな」

「ウィリアム様の教え方が上手なおかげです」

魔法で紅茶を入れてミリアーヌと休憩しているとギリアムから呼び出しを受ける。


「ギリアム殿。お呼びとか」

「先ほど相手から降伏勧告を告げる使者がやってきた」

「それでどうしたのです」

「断ったが対応した兵士が一つ失敗をしてな。陣地の内部で対応することになってな」

「内部を使者に見られましたか。こちらの兵士が少ないのを相手に知られたと」

「一方向からの攻めだけでもこちらは一杯一杯だったのだ」

「相手も薄く展開していますので手攻を見極めて私が援護しましょう」

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