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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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二十六話

混乱の収まったアーカディア帝国が次の手を打ってきた。

魔術師による遠距離魔法でこちらの動きを抑え込み歩兵が次々掘りを超えてくる。

対魔術用の障壁を張りこちらへの被害を防ぎながら相手の魔法を分析する。

遠距離の為か威力は大したことがない。

敵歩兵が弓矢の射程に入ったところでギリアムの号令で弓隊が一斉に射撃を開始する。

誤爆を恐れて相手の魔術が緩んだその隙を狙ってこちらも遠距離魔法である雷陣を発動する。

一直線に雷が相手の魔術師目指し進んでいく。

狙い通りに相手の魔術師数人に直撃した。

敵の魔術師が混乱してくれるのを期待したが即座にこちらに魔法を集中して狙ってくる。

魔法障壁を再度張り難なく防御する。

歩兵も怯むことなく行進を続けておりよく訓練された軍隊であることを示している。

魔法がこちらに集中して手隙になったこちらの魔術師が敵歩兵に対して攻撃魔法を放つ。

攻防を続けること数時間、敵は防壁にたどり着くことなく負傷した兵士を引き連れ撤退していった。


「守りきれたな」

ずっと緊張していたのか肩の力を抜くギルバード。

「私は負傷兵の様子を見てきますね」

まともな攻撃は魔術ぐらいだったが人数が不足していたこともあり障壁を抜けて味方にも被害がでていたのだ。

負傷兵が集められた一角には教会から派遣された神職者が治療にあたっていた。

治療は魔術師を優先しているのか重症な兵士は手つかずになっている者もいる。

「手伝います」

声をかけてから次々に回復魔法をかけていく。

一通り治療が終わった所で一人の少女が話しかけてくる。

「ありがとうございました。私達だけでは手が回らなくて」

「気にしなくていい。仲間を助けるのは当然だからな」

こちらは人数が少ないのだ。

前線に復帰できるならさせたほうがいい。

「私達では手の施しようのないような方まで治療されて。すごい回復魔法の使い手なんですね」

尊敬の眼差しでこちらを見てくる。

「治療しながらみていたが君の腕も素晴らしかったよ」

少女の手際はここに派遣されている神職者の中ではずば抜けていた。

「まだ名前を名乗っていませんでしたね。ミリアーヌです。凄腕の魔術師の傭兵って貴方の事ですよね」

「私は、ウィリアムだ。凄腕かはわからないが」

「よかったら一緒にご食事とかどうですか。色々お話とか聞きたいですし」

「それは構わないが」

「それでは行きましょう」

そういえば数日、食事を取っていないが空腹を感じていないし不眠で陣地構築をしていたので寝ていないのだが眠くもなっていない。

検証をしていないが状態固定化の副作用だろうか。

ミリアーヌに手を取られ配給場所に並びながらそんなことを考えていた。

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