表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/189

二十三話

傭兵の登録をすませるため西門の衛兵詰所までやってきた。

扉を開いて中に入ると険悪な空気が流れている。

「だから、どうして雇ってくれないんだ」

怒気を含ませながら男性が詰め寄る。

「Fランク冒険者を雇うわけにはいきません。規則ですので」

「今は少しでも戦力が必要なはずだ。ランクなんて関係ないだろ」

「みすみすあなたを死地に追いやるわけにはいかないのです。わかってください」

経験の足りない者を戦場に出すのは危険だ。

本人は勿論のこと、味方すら危険に晒す可能性がある。

「俺は諦めないからな」

男性は足音荒く出て行った。

「お待たせしました。ご用件はなんでしょうか」

ギルドカードを提示しながら話しかける。

「傭兵として登録したいんだが」

「Cランクの冒険者ですね。こちらをお読みになり問題がなければ署名をお願いします」

渡された書類を確認し署名をおこなう。

「はい。これで傭兵としての登録が完了しました。西門を出たところで編成を行っていますのでこちらの札をご提示ください」

お礼をいい詰所を出てその足で西門を潜る。

天幕の広げられた場所を見つけそちらに歩いていく。

見張りの兵士に札を見せ、指示された天幕に入る。

「よく来たな。俺は編成官のダリスだ」

「魔術師のウィリアムといいます」

ダリスに札を呈示する。

「Cランクの魔術師か。正直いって助かった」

「助かったとは」

「魔術を使える奴が圧倒的に不足していてな」

「傭兵ですからね。そういうこともあるでしょう」

「いや、正規軍含め魔術師が不足してるのだ」

「どうしてそんなことに」

「今代の伯爵様になってから軍縮が推し進められてな」

「国境を守る軍を軍縮ですか」

頭が痛い。今代のロッテムハルト伯爵は何を考えているのか。

「特に高級取りの多い魔術師が辞めさせられたと愚痴を言っていても仕方ないな。今集まっている傭兵は昼にはイニツァー平原に展開している正規軍に合流して貰う。それまで他の者と交流を深めてくれ」

天幕を辞し屯している傭兵の中に混じり込む。

一人の男性が話しかけてくる。

「イニツァー平原にいくまで臨時リーダーをしている剣士のアルベドだ」

「魔術師のウィリアムだ。よろしく頼む」

「魔術師か。今ここにいる中では唯一だな」

その後もアルベドと雑談に興じ昼になりイニツァー平原に向け出発した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ