二十話
受付にて冒険者ランクの更新と素材の買取代金を貰って酒場のスペースに移動する。
「こっちだこっち」
と手をあげて呼んでくれるダッカス達に合流する。
「ずいぶん時間がかかりましたね」
「買取の後、ギルドマスターに呼ばれまして。こちら分配金になります」
四分割した買取代金を三人の前に置いていく。
「これが依頼の代金だ」
ダッカスが銀貨三枚を手渡してくれる。
依頼に関するお金の分配が無事終わった所でエールと軽くつまめる物を注文する。
「それで昇格は通ったのか」
ギルドとの信頼関係があるとはいっても結果は気になるらしい。
「ギルドマスターのご厚意でCランクになりました」
「Dランク昇格が通るかどうかだと思いましたがCランクですか」
「この短期間でランクが並ばれたというのは思う所もあるが実力を考えれば納得だな」
丁度いいタイミングで注文したものが届く。
「それでは依頼の無事達成とウィリアムのCランク昇格を祝して乾杯」
杯と杯で打ち鳴らし一気にエールを飲み干していく。
「ぷはぁ~、依頼の後の一杯はうまいな」
「もうダッカス、おじさんくさいですよ」
雑談で話は盛り上がり時間が過ぎてゆく。
「そういえばロンさんって師匠とかいるんですか」
見た所伸びしろがまだあるのだが伸ばし方がわかっていない感じがしたのだ。
「いえ、独学ですよ。ダッカス達と田舎から出てきて実戦で失敗しながら会得しました」
「そうそう。ロンの魔術に巻き込まれたりとか」
「それを言うならフェンは宝箱の解呪に失敗してダンジョン内で動けなくなったことがあるじゃないですか」
何か一つミスをすれば命の危険もある。
それを笑い話として振り返ることができる彼らは心が強いのだろう。
「魔力を適度に使って瞑想をする。それだけでも魔力の底上げにつながりますよ」
魔力を使うたびに魔力路に負担がかかり流れが悪くなるそれを瞑想して通りを良くするのだ。
「基礎の瞑想をですか。そういえばしばらく行っていませんね」
「他に何か気付いたことあるか」
ダッカスが話に食いついてくる。
「そうですね。ダッカスさんは時々無意識に身体強化の魔法を使っていますね。それを意識して使えるようになれば戦闘力が上がると思いますよ」
「おいらは、おいらは」
期待する眼でこちらを見てくるフェン。
「適性を見てみましょうか」
収納魔法から魔術の素養を見る為の水晶を取り出しフェンに手渡す。
しばらくすると水晶内に碧色の色が浮き上がる。
「フェンさんは風魔法の適正があるようですね。基礎的な部分はロンさんに教わるといいでしょう」
スリーピング三人の強化案を出しながら夜は更けていった。




