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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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百八十四話

街の経営は手持ちの資金から補填をしているものの順調だ。

王都での大規模なクランメンバー募集を打ち切り仲間達もマクロードの街に移ってきていた。

今日は仲間達を連れて森の奥にある屋敷に飛んで下級竜や地竜にハイオークの間引きを行っている。

久々に体を動かせるのが楽しいのだろう仲間達は生き生きとしている。

この近辺でしかとれない貴重な薬草や自生している果物の採取なども行い収支はうなぎ上りに増えていく。

食事は屋敷で取り久しぶりにセバスチャンの手料理を楽しむ。

「相変わらずセバスチャンさんの料理は美味しいですね」

屋敷の庭にはお茶の木やコーヒーの木に各種ハーブを植えてありセバスチャンが採取して加工した物も受け取る。

数日を屋敷を拠点に行動してマクロードの街に戻ってきた。

代官と留守にしていた間の情報共有をしてから冒険者ギルドで換金をして街に繰り出す。

住民は冒険者が多いため干し肉や乾燥させた果物を売っている露店などが並んでいる。

珍しいものとしてはマクロードの森の湿地帯に自生しているカカオの種から作りだされたチョコレートだろうか。

果物に木の実を混ぜた物など種類が多く高カロリーの為人気を集めている。

湿地帯にはバナナやコーヒー等も自生しており採取を中心に行う冒険者もいるようだ。

市場調査をしていると仲間達が最近できたばかりのカフェから手を振っている。

相席させてもらいコーヒーを頼む。

「師匠。出来たばかりの街とは思えないぐらい発展していますね」

「王国や有力な商人からの支援が大きいですね」

「クランメンバーも随分と成長しましたね」

「彼らの努力の賜物です」

美味しそうに女性陣がケーキを食べているのを見ながらコーヒーを楽しむ。

湿地帯産の物を使っているらしく香りが良く苦みの中にほのかに甘味がある。

コーヒーを楽しんでいると一人の女性が場に乱入してくる。

「ラファエル姉さまお久しぶりです。この男が全ての元凶ですね」

乱入してきた女性はこちらを睨みつけてくる。

「ウリエルどうして貴方がここに」

「天使長様のご命令でお迎えにあがりました」

「今の私は天界に戻るわけにはいかないしやるべき使命もある」

「お姉さまが力を貸す必要はありません。地上の問題は地上に住まう者達が解決すべきです」

「天界にいた頃の私なら同じように考えたでしょう。ですが触れ合った今は力を貸すべきだと考えています」

「お姉さまは堕落してしまわれた。全ては偉大なる神に呪われたそこの男のせいで」

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