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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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百八十話

周辺の魔物駆除は順調に進んでおりクランメンバーの一部にお願いして各種野菜と穀物の種を手に入れにいってもらっている。

畑は魔法ですぐにでも野菜を育てられる環境を整えて新しい住民と種を待つばかりだ。

冒険者ギルドは街の完成を前に営業を開始している。

納められるのはクランメンバーが狩ってきた魔物だ。

目端の利くロッテムハルトの商人は街に必要な物を卸した後素材を買い取りロッテムハルトに帰っていく。

職人達は修行を終えても店を構えるスペースを確保できずに独立できていなかった者を移住者として募り最低限の設備は整ったと言える。

居住用の家が後回しになってしまったが防壁で囲まれているためテントを建て仮住居として開発を進めていく。

サンクトリアのダンジョンで取れた果物から種を取り出しそれを植えて果樹園計画も進んでいる。

もっと街作りは苦戦すると思ったが問題なく順調に進んでいる。

街の中央には領主館の代わりにクランハウスを配置してある。

近隣の村に種の入手を頼んでいたメンバーも戻りギリアム卿がいっていた子供達も到着する。

農作業の経験があるクランメンバーの指導の元農作業が開始された。

冒険者になりたいという子もおりそちらもクランメンバーに指導を頼む。

国王陛下は街の統治を手伝わせるために官僚を派遣してくれて細かい処理を任せ次々あがってくる書類に目を通す。

噂を聞きつけ冒険者も移住しはじめており街の経済は順調にまわっている。

活動を続けているクランメンバーは街の安全が確保されたためマクロードの森の中層地帯まで進み狩りを続けている。

サンクトリアのダンジョン産の食料はまだまだあるが食料が自給自足できていない現状を考えると魔物の肉に森に自生している山菜や木の実といった食料を採取する必要がある。

サンクトリアのダンジョン産の果樹は驚くことにぐんぐん成長している。

この様子だと収穫できる時期は相当早そうだ。

街の人々は仕事ややることが明確にある為活気に溢れている。

ギリアム卿が送ってきた子供達には食事を支給し僅かばかりの小遣いを与える。

クランメンバーも辛い経験がある者が多いため温かい目で見守っている。

予定されていた居住区の建築も終了し独立を目指す大工以外は撤収していった。

残った大工に頼まれ森の木を切り倒した後は魔法で乾燥させた。

確保した木材を利用して家具を作って生計を立てるようだ。

国からマクロードの街として認可され領主としての仕事もすることになった。

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