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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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百七十七話

竜族の訓練方法とは魔力の制御を助ける特殊な魔道具を身につけての訓練だった。

竜王に言われるままに魔法を発動させるがこれが難しい。

魔道具の補助を受けているというのに油断すればすぐに暴発してしまう。

「魔法はイメージじゃ。集中して取り組むべし」

今取り組んでいるのは土魔法で正方形の土粘土を作り風魔法と水魔法を使って削って人形を作り仕上げに火魔法で焼き上げるというものだ。

土台がうまく作れなければボロボロになってしまうし成形中に手元が狂えばまた最初からやり直しだ。

火加減を間違えればここまでの作業が無に帰ってしまう。

ここまで成功したものはなく時間だけが虚しく過ぎてゆく。

竜王は片手に酒瓶を持ちそれを飲みながら見守ってくれている。

幾日かが過ぎ成形まではうまくできるようになった。

後は焼き加減の調節のみ。

均一に温度がいきわたるように慎重に焼き上げる。

人形は割れることなく完成した。

「出来ました」

「ふむ。まだ改善の余地はありそうじゃが短期間でよく頑張ったの。次は魔道具を外してやってみぃ」

魔道具を取り外して土粘土を生成しようとするがうまくいかない。

何度もチャレンジするが正方形にならずぐにゃりと曲がってしまう。

「ふぉふぉ。若い時には苦労を惜しんではいかんぞ」

その後もイメージを固めながら挑戦を繰り返す。

少しずつではあるが形が整っていく。

成形が終わったら風魔法で大雑把にカットして水魔法で光沢を出すように削りだす。

削りだしが終わったら火魔法で加熱して乾燥させたら完成だ。

簡単な造形のものが出来上がったらより複雑なものにチャレンジする。

人形を量産し続けること数日竜王から修行の終了が言い渡された。

「ここまで出来るようになれば制御は大丈夫じゃろ」

「ありがとうございました」

「お主の眷属達も修行に一段落ついた頃じゃろうて」

円卓のある部屋に向かうと御飯を食べている仲間達がいた。

「その様子だと修行は終わったようじゃな。修行終了を祝して宴会じゃ」

いつも酒を飲んでいるイメージがあるが突っ込んだら負けなのだろう。

その日は遅くまで盛り上がり騒いだのだった。

翌日地上に戻る為に竜王達に別れの挨拶をする。

「それでは本当にお世話になりました」

「もっともっと強くなって儂を楽しませてくれ」

竜王は物騒なことをいっているが照れ隠しだと判断して笑顔で別れた。

圧倒的強さを手に入れたおかげか竜種に絡まれることもなく階層を抜けることができた。

ゴーレム地帯は機械的に襲い掛かってこられたが問題なく切り抜け他の階層も突破して地上に出たのだった。

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