百七十一話
「師匠。竜王さんからのお誘いどうするのですか」
「せっかくのお誘いですから行こうかと思っていますよ」
「入念な準備が必要ですね」
仲間達は戦闘狂というわけではないが強くなるのには貪欲だ。
力がなければいくら救いたいと願っても救えないのもまた事実。
「それでは各自準備して明日の朝出発しましょう」
街に向かっていくつかの酒屋をまわってお土産用の酒を確保する。
十分な量を確保できたので野営地に戻り御飯の準備をしていると仲間達も戻ってくる。
その日は英気を十分に養い就寝した。
翌日ダンジョンに入り最短ルートで深部を目指す。
五層目でボスとも言えるゴーレムを倒し進行を阻むゴーレムの大軍を排除して六層目に入る。
相変わらず大量のワイバーンや地竜に下級竜に足を止められ時間がかかったが七層目に突入する。
七層目は中級竜が大量におり慎重に進む。
流石は竜王の収めるダンジョンということか貴重な竜種の宝庫だ。
知能がそれなりに発達している中級竜達は連携してこちらを排除すべく攻撃を仕掛けてくる。
こちらも仲間達と連携して討伐をすすめ確実に歩を進める。
食事で匂いを出せば中級竜に居場所を教えることになる為携行食を食べ交代で疲労を取るべく仮眠を取る。
戦闘をなるべく避けるように行動したが七層を突破するのに数日をようしたが無事八層目に入った。
八層目は上級竜が群れを成していた。
縄張りがあるらしく縄張りに入った途端に上級竜が襲い掛かってくる。
硬い鱗に武器での攻撃は阻まれ魔法にも高い適正を持っており一匹倒すのに時間がかかる。
上級竜のブレスは圧倒的な威力を誇っており魔法障壁を破壊する威力があり基本的には避けてどうしても迎撃が必要なものは魔法を放ち迎撃をする。
眷獣の力も使っているがやはり燃費が悪く魔力を回復するポーションを併用するが休息を余儀なくされる。
仲間達も疲労の色が濃く撤退するべきか悩む。
休息を取っているとダンジョンの奥から一人の青年が歩いてくる。
上級竜は青年を襲おうとはせずむしろ避けている。
「竜王の爺に頼まれて様子を見に来たが随分苦戦しているようだな」
「貴方は」
「竜王の眷属でアルウィンという」
内部には圧倒的なエネルギーを備えており化け物だと教えてくれる。
「ウィリアム・フォン・マクロードです」
「爺が何を考えてるのかはわからんがついてこい」
アルウィンの後を追いかけてダンジョンの奥へと向かう。
九層目に入ると魔物の気配はなく豊かな自然が広がっていた。




