百六十九話
無事に地上まで戻り冒険者ギルドでスペースを圧迫している素材を売り払う。
処理を急がなくていいゴーレムの残骸をかなりの数引き取ってもらえた。
冒険者ギルドに併設された酒場は人は疎だ。
ダンジョンは王国軍と栄光の暁のメンバーによって正常化したと言ってもよいが冒険者が戻ってくるのにはまだまだ時間がかかりそうだ。
依頼表を眺めていた仲間達が一つの依頼を持ってくる。
「師匠。これなんですけど受けてもいいですか」
猪型の魔物が暴れまわり作物や家畜に被害が出ているので討伐して欲しいというもの。
依頼料は高くはないが食料供給に被害が出ているのを考えると受けたほうがいい依頼だ。
「構いませんよ。これを受けましょう」
受付に依頼表を持ち込み受注処理を行う。
高ランク冒険者が受けてくれるとは思っていなかったのか受付からお礼を言われる。
依頼の場所は街から近く歩いて向かう。
村に着くといかにも農村といった風の風景が広がっている。
通りかかった人に依頼主である村長の家の場所を聞き話を聞くために向かう。
「依頼を受けた栄光の暁の者ですがお話を伺っても」
「村人の中にも被害を防ぐ為に狩り人がいるのですがいつの間にやら数が増えていて手に負えなくなってしまって冒険者ギルドに依頼を出した次第です」
「猪がいるのは隣接する森で間違いないですか」
「それで間違いないです」
「それでは早速討伐を開始しましょう」
村長宅を出て近くの森へ向かい探索魔法を使うと確かに大量の魔物の反応がある。
依頼にあったのは猪だけだが他の魔物も討伐することに決めて森を順番にまわっていく。
強敵と呼べるような魔物はいなく作業に近かったが無事掃討を終え村長宅に討伐終了の知らせをしてサインを貰い街に戻る。
冒険者ギルドで依頼の完了処理を行い野営地に戻る。
野営地では休息を取っているクランメンバーがおり一緒に食事を取る。
ダンジョン内の様子を聞くと問題なく活動できているようだ。
カタリーナと天ちゃんにミーシャが収納魔法を覚えたいというので教えているとクランメンバーも集まってきて一緒に練習することになった。
うまくいかない人にも根気よく教え容量の違いはあれど全員使えるようになった。
教えている途中に戻ってきたクランメンバーも教えて欲しいと頼んできたので教えていると次々とクランメンバーが戻ってきて結局全員に教えることになるのだった。




