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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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百六十三話

頼んでいた拠点が完成したと連絡が入り戦うことが出来るメンバーの移動を指示する。

遠征に出ているメンバーも新しくできた拠点に移動してもらう予定だ。

メンバーの訓練をしていると王宮から呼び出された。

いつもの応接室に通されるとそこには国王陛下と宰相が待ち構えていた。

「ウィリアム卿。忙しい所呼び出してすまない」

「いえ。ご用件を伺っても」

「サンクトリアを御存じだろうか」

「大きなダンジョンを抱えている場所だったと記憶していますが」

「うむ。その認識で間違いない」

「貴重な資源を生み出す場所として重要であると同時にスタンビードを起こす危険性を重視して十分な兵を配置しているのですが大規模なスタンビードを起こして兵士に少なくない被害がでました」

「こちらからも兵を送るがウィリアム卿達にも協力してもらえればと思ってな」

「現在遠征に出ている者が戻り次第急行いたします」

「よろしく頼む」

王宮を後にして市場にて食料品を買い集める。

一通り市場を巡り十分な食料を確保した後は屋敷に戻り指導を続けた。

数日が過ぎ遠征に出ていたメンバーが続々と戻ってくる。

実戦に出せないメンバー含め全員でサンクトリアを目指す。

今回は人数が多いこともあり徒歩での移動になる。

野営を繰り返しながら行程は順調に進みサンクトリアに到着した。

メンバーに街の近くで野営の準備をするように指示を出してサンクトリアの領主の館に向かう。

門番に貴族証を呈示するとすぐに通され領主と面会することができた。

「はじめまして。この街の領主をしているアレフ・フォン・サンクトリアと申します」

「ウィリアム・フォン・マクロードです。王宮からの依頼を受けてまいりました」

「王宮から話は聞いております。お手伝いできることはございますか」

「人数が多いため街の近くで野営する許可を頂ければと」

「ご自由にお使いください」

「現在の状況はどうなっていますか」

「街の兵士にかなり被害がでて現在は王都からの兵士でその穴埋めをしているところです」

「被害にあった兵士は後で回復魔法をおかけしましょう」

「ありがとうございます」

「後はダンジョン内に入る許可を頂ければ」

「お止めする理由がありませんので自由に入ってください」

領主の館を後にして兵士の先導で怪我をした兵士に回復魔法をかけた後野営地に戻りダンジョンに潜るメンバーを選定した。

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