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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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百四十九話

ダンジョンの下層に足を踏み入れると幻想的な光景が広がっていた。

「これは鍾乳洞ですかね」

「綺麗ですね」

侵入に気付いて近寄ってくる魔物も綺麗な装飾をつけた人型の魔物が多く女性陣のテンションは高い。

中層の森林地帯には食べられる果物や植物が多く自生していたので当然回収しておりバランスの良い食事を食べながら休息する。

「虫は嫌でしたが豊富な食べ物に綺麗な装飾品このダンジョンは当たりですね」

「武器なども回収しながら見ましたがこないだ潜ったダンジョンより品質が良いですね」

休息を取っているとこのダンジョンに似つかわしくないコウモリの群れが現れたと思うと数匹が一つになり人になる。

人語を操ることはできないのか奇声を上げながら襲い掛かってこようとするので魔法障壁で時間を稼ぎ戦闘準備を整える。

仲間達が首を狩ると体が灰になる。

「一体一体は弱いけど数が多いですね」

続々とコウモリが現れ爆発的に敵の数が増えていく。

余りにも数が多いため魔法を併用しながら剣を振り襲撃してきた魔物を討伐し続ける。

数時間戦い続けるとようやっと打ち止めのようだ。

戦利品を仲間達に集めて貰いクリアの魔法で灰を取り除きながら収納魔法にしまっていく。

「ジャリジャリします」

ミリアーヌが仲間達にクリアの魔法をかけてまわる。

改めて休憩を取ることにして疲労を回復させる。

休憩をしていると今度はガシャンガシャンと音をさせながら華美な装飾のリビングアーマーの群れが近づいてくる。

「いけそうですか」

「当然大丈夫です」

少しの休憩時間しか取れなかったが仲間達は大丈夫だといってくれる。

装飾が華美であることを除いて他のリビングアーマーと差はあまりないようだ。

核を確実について討伐していく。


◆◆◆

ダンジョンの深部で頭を抱えている吸血鬼の青年がいた

「何なんだあいつら。あれだけの数を押し掛けたのになんで潰れない。早く駆除しないと侯爵様が降臨なされたときに役立たずの烙印を押されて殺されてしまう」

吸血鬼の少女は可笑しそうに笑いながら青年をからかう。

「荒れているわね」

「お前だって他人事じゃないだろ」

「いくら強くても体力には限界があるわ。このまま魔物や下級吸血鬼を送り続けていればいつか潰れるはずよ」

「そうだな。我らが負けるはずがない。このまま押しつぶしてやる」

青年はダンジョンの核に触れると魔力を注ぎ込みリポップ速度をあげるのであった。

少女は心の中でほくそ笑む。

操りやすい子。

そこが可愛いのだけど。

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