百四十八話
数日が経ち実戦に投入してもいいだろうと判断してミリアーヌは子供達と集団戦に慣れたメンバーを連れて近隣の森に薬草採取に向かった。
ミーシャと天ちゃんは二人で幻術で魔物を再現してメンバーの育成に力を入れている。
ラファエルとカタリーナは途中で入ってきたメンバーを指導している。
手隙となった自分は動きのいいメンバーとダンジョンに潜り大量の素材を持ち帰る。
冒険者ギルドでメンバーのランクアップ申請と素材の売却をしてマッサーンの支店で必要な物資を買い足す。
魔法も教えたいのだが街中で攻撃呪文を使うわけにもいかず拠点の完成待ちだ。
マッサーンが言っていた子供や噂を聞きつけてクランに参加表明する人達が増えて手狭となり戦闘力のある人を中心に街の外で野営をしてもらっている。
今後も人が増えることを考え領主に許可を得て街の外に拠点の増設を決める。
「師匠。人がかなり増えましたね」
「希望を抱いてきている人がほとんどです。見捨てれば路頭に迷う可能性の高い人ばかりですから受け入れるしかありませんね」
「救いなのはマッサーンさんが必要な物資を手配してくれていることですね」
「しばらく体を動かしてないからダンジョンに潜りたいなぁ」
カタリーナの言うこともわかるのだ。
本来ここには仲間達に経験を積ませるためにやってきたのだ。
「そうですね。動けるメンバーに子供達の引率を任せて新しく入ってきた人達は集団戦を得意とする人達に任せてダンジョンに潜りましょうか」
ポーションの素材を集めるためにポーションを使うのは本末転倒に見えるが生存を優先して使わせることにする。
「わーい」
ミーシャと天ちゃんの尻尾が揺れている。
しなければいけないとわかっていてもストレスが溜まっていたのだろうと反省する。
翌日クランの主要メンバーを集め指示を出した後ダンジョンに向けて出発した。
ダンジョンに足を踏み入れると洞窟ではなく一面の草原が広がっている。
「洞窟以外のダンジョンもあるんですね」
「どういう仕組みなのか私にもわかりませんけど獣型の魔物が多そうですね」
ウルフや熊にコボルトなどを仲間達は楽しげに倒していく。
低層を軽々掃討して中層に足を踏み入れると今度は森が広がっている。
大蛇や大蜘蛛など爬虫類と昆虫の魔物が生息しており仲間達は軽々狩っていくが不評だった。
「昆虫は生理的に受け付けられません」
とのことだった。
素材としては優秀な物も多いのでしっかりと回収した。
下層に向かう前に休息をしっかりと取った。




