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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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百四十六話

「ただいま戻りました」

「お疲れ様です。明日は衛兵達と合同でダンジョンの間引きを行うことになりました。メンバーは動けるメンバーに集団戦の出来る大人と私とミリアーヌでいきますので周知を徹底してください」

「わかりました」

ミリアーヌとミーシャが薬草を渡した後に駆けていく。

それを見送り回復用のポーション作成を始める。

明日は怪我をしたらミリアーヌと二人で治す予定なので必要ないのだが気軽に使える回復手段があればメンバーの心理的に余裕が出来るだろうと思ってのことだ。

十分な量を作れたがそろそろ薬瓶をどこかで仕入れる必要があるだろう。

アスカ皇国さんの禄茶を入れて飲んでいると仲間達が集まってくる。

それぞれの持ち場の状態を報告しあい情報を共有する。

薬草の採取は魔物が繁殖しており中々大変だったようだ。

改善点や今後の訓練の仕方などを検討していく。

それが終わると皆眠りについた。


翌日朝食を取った後衛兵達との合流地点に向かうと相手の準備は既に終わっているようだ。

「お待たせしてしまいましたか」

「いえ。時間通りですよ。それでは行きましょうか」

スカウト技能の高いチームを各ダンジョンに配備しているそうで今回向かうのはスタンビードを起こしかねないと判断されたダンジョンのようだ。

斥候を担当していた衛兵達も合流しダンジョンに足を踏み入れる。

布陣は集団戦の出来るチーム前列に出し交代させ動けるメンバーを遊兵としてフォローにまわすことにして衛兵達と手分けして掃討していく。

スタンビードを起こすと判断されるだけあって獲物となる魔物は豊富だ。

人数を生かした狩り方で一方的に魔物を狩っていく。

よく訓練された衛兵達の動きには及ばないが短期間でここまで成長したことを考えれば十分と言える。

確実に強くなっていってるのがわかるのだろうクランメンバーの士気も高い。

負傷者もでるがミリアーヌが即座に治療に動き前線に復活させる。

ゆっくりとではあるが階層を確実に踏破していく。

ダンジョン内での野営を含む今回の討伐戦はクランメンバーにいい経験になるだろう。

中々寝付けないメンバーには安眠の魔法をかけ強制的に眠りに就かせたりしたが徐々に慣れていくだろう。

低層のみではあるが無事に討伐が完了して街への帰途につく。

戦利品は衛兵のほうで買い取ってくれることになっており消費したのは食料ぐらいなので十分黒字だ。

参加したメンバーには十分休息を取るように言いつけて解散した。

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