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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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十四話

ロンさんに探索魔法を教えていたら時刻はもう夕暮れ時だ。

「アーネストさん出てきませんね」

「俺達には遺跡の価値なんてわからねぇが学者としては心躍るなにかがあるんだろう」

「夕ご飯の準備をして出来たら呼びにいきましょうか」

手際よく分担して御飯の準備を済ませてしまう。


「それでは声をかけてきますね」

遺跡の構造を思い出しながら奥へと入り込みアーネストを探す。

アーネストは遺跡の広場で紙に何かを書き込んでいた。

「アーネストさんそろそろ夕ご飯の時間ですよ」

「もう、そんな時間ですか。遺跡の内部は所々光っていて時間間隔がわかりずらいですね」

「何か面白い発見でもありましたか」

「これといったものはありませんでしたが大賢者様はすごいですね。これほど完璧な状態で保存されている遺跡は少ないですから」

この遺跡にはちょっとした仕掛けがあるのだが彼はまだ見つけられていないようだ。

さりげなく装置を起動する。

遺跡内が真っ暗になり壁と天井に天体が表示される。

「これは、ウィリアムさん何かしましたか」

「さっき床を踏んだらカチッと音がしましたね」

「物によっては大変なことになるので気を付けてくださいね」

「それにしても素晴らしいプラネタリウムですね」

「えぇ、なぜカルチェラタン遺跡でここだけ保全されていたのかと思ったらこういうことだったんですね」

しばし無言で天体を眺めていると背後にダッカスの気配を感じる。

「おぃおぃ、こりゃまたすごいな」

中々戻ってこないことを不思議に思い探しに来たようだ。

「そういえば夕ご飯でしたね」

もう一度床の装置を踏み遺跡を通常の状態に戻す。

「装置とプラネタリウムの研究は食べてからですね」

三人連れたって遺跡を後にした。


今日のメニューは干し肉に野菜の乾燥したものをお湯で戻し小麦粉を水で溶かした水団のようだ。

「温かい物を食べるとほっとしますね」

「長期依頼で唯一の楽しみと言ったら食事ぐらいだからな」

他の二人もうんうん頷いている。

「さてと、私は調査に戻りますね」

食事を終えたアーネストが立ち上がる。

「ここは私が見ているので三人も遺跡の中を見てきたらどうですか」

「さっきのあれか、お言葉に甘えさせてもらうぜ」

よくわかっていないロンとフェンの二人を引き連れてアーネストと共に遺跡の中に入っていく。

四人を見送り魔法でコーヒーを入れてしばしぼーっとしながらコントロールが全くできなくなってしまっているゴーレムをどうするか思案する。

宝珠はまた作れるというか収納魔法の中にいくつか予備が存在している。

それをどうにか違和感なくアーネストに拾わせることはできないだろうかと考える。

思い立ったら吉日と気配を絶ち四人に見つからないように遺跡の奥へと侵入して宝玉を転がしておく。

アーネストが見つけてくれればそれでよし、ダメでも偶然を装い発見した風に見せかければよいだろう。

気付かれないうちに入り口に戻る。

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