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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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百二十二話

インクブスを無事討伐してロッテムハルトの領主館に戻ると幼女達は女性陣に保護されロードベルトは簀巻きにされ床を転がっていた。

「お前たち儂をこんな扱いしてただで済むと思っているのか」

「まだ幼い少女に手を出しといて貴方こそただで済むとは思わないでください」

女性陣は次々に女の敵には天罰をと口走っている。

そこにギリアムが入ってくる。

「父上。一体ここで何があったのですか」

「儂は知らん。悪魔に脅迫されておっただけだ」

ロードベルトの戯言を聞き流し部屋を調べていると召喚魔法陣の痕跡を見つける。

「召喚魔法陣の後ですね。召喚したものはいいものの御しきれずに暴虐の限りを尽くされたというところでしょうか」

「ギリアム。儂はそなたの父だぞ。そんな奴らの言うことを聞くわけではなかろうな」

「父上の様子がおかしいことには気が付いていたというのに。ウィリアム卿。私の不徳といたすところです」

ギリアムは頭を下げて謝罪する。

「父上をどこかの部屋に閉じこめておけ」

控えていた兵士に命令してロードベルトを連行していく。

「問題は少女達ですね。我々は男所帯なのでお任せしてもよろしいでしょうか」

「ケアは任せてください」

女性陣は幼女達を連れて部屋をでていった。

「ウィリアム卿。王宮の沙汰次第ではあるが父上はどうなると思う」

「よくて幽閉。最悪であれば斬首でしょうか」

「やはりそうなるか」

ギリアムは沈痛な面差しをしている。

「ギリアム卿心痛はお察しするがしなければいけないことがあるはずです」

「そうであったな。何はともあれウィリアム卿に感謝する」

気持ちを切り替えたのだろう。

ギリアムは顔をあげて部屋を出て行った。

領主館をでて冒険者ギルドに向かうとすぐにギルドマスター室に通される。

「ウィリアム卿。お疲れさまでした」

「シフォン殿。我々に手伝えることはありますか」

「お気持ちはありがたいですが連戦されていると聞いています。我々に任せてお休みください」

「魔王の季節か」

「ウィリアム卿。どこでその言葉を。エルフの古い文献に残されている言葉なのですが」

「ちょっと耳にした程度ですよ」

「今後こういった痛ましい事件が増えていくのでしょうか」

「今回は召喚されたことによる被害ですが今後間違いなく魔王が次々と現れるでしょう」

「悲観している場合ではありませんね。我々はできることをしなければ」

気持ちを切り替えたのだろう。

机に山積みになっている書類に目を通し始めた。

邪魔にならないようにそっと部屋を出た。

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