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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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百二十話

勢いのまま領主館を突き進みイングブスを探す。

途中攫われたであろう女性に襲い掛かっているインキュバスを女性陣が容赦なく討伐しつつ奥を目指して進む。

ひと際豪勢な扉の中から強い魔力反応を探知して迷いなく扉を吹き飛ばして内部を警戒する。

「ふふふ。無粋ですね。楽しみの宴の最中に招かれざる客が入ってくるとは」

ロードベルトは幼女を抱えたままイングブスに命令する。

「貴様はウィリアムではないか。イングブス奴を殺せ」

「これはこれは。標的が自ら飛び込んできてくれるとは」

イングブスは目の前にいた幼女を乱暴に床に落とし幼女は落ちた拍子にうめき声を漏らす。

イングブスが手をかざすといくつもの召喚陣が描かれインキュバスが現れる。

「こんな雑兵いくらいた所で」

部屋の惨状に憎悪を募らせた女性陣は現れたインキュバスを容赦なく手にかける。

「これは困りましたね」

悪寒を覚え女性陣の周りに魔法障壁を展開すると同時に闇属性の魔法が炸裂する。

「惜しいですね。貴方がたは私の守備範囲外なので一撃で吹き飛ばして差し上げようと思ったのに」

ミーシャが一息の間に距離を詰め分身しながらインクブスに斬りかかる。

イングブスは難なくかわしミーシャの腹を殴る。

ミーシャは殴られつつもイングブスに暴行を受けていた幼女を抱えて下がってくる。

「猪口才な。私の物を奪うとは」

背後に転移して首を狙うが難なくかわされる。

「あぶないあぶない」

イングブスは軽口を叩きながら手刀を振りかざしてくる。

霧化の魔法で避けようとするも思っていたより早く顔に傷を負う。

傷は吸血鬼の再生力によりみるみる治っていく。

「人かと思ったらその再生力。吸血鬼ですか」

「そういうお前は子供の肉が大好きなど変態ではないか」

「正確には幼女のがつきますがね。それにしてもそのものいいセバスチャンのようですね」

「セバスチャンを知っているのか」

「何度となく私の楽しみを妨害してくれた似非紳士ですからね。ここ数百年は魔界を離れていてくれて助かりましたよ」

「そうですか」

ここでまともにぶつかりあえばどれだけ被害がでるかわからない。

イングブスの隙をつきつかむとイニツァー平原の何もない場所に転移する。

「転移魔法ですか。やってくれますね」

「あそこでは全力を出すことができませんからね」

「それは私も一緒です。せっかくの青い果実を巻き込むわけにはいきませんからね」

イングブスの周囲に黒焔を隙間なく出現させて包囲する。

「地獄の焔を再現するとは中々やりますね」

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