百十九話
休息をとった翌日ギリアム卿と合流すべく仲間を連れてイニツァー砦の近くに転移する。
イニツァー砦は逃げて来たと思われる人々が溢れていた。
人々をかき分け砦の入り口にて貴族証を呈示して中に入ると指令室に通される。
指令室の中では忙しそうに書類仕事をしているグーカスがいた。
「すまんな少し待ってくれ」
書類に片がついたのかあまり待たされることなく対応してくれる。
「ウィリアム卿よくきてくれたな」
「ギリアム卿はどちらに」
「ギリアム様は冒険者ギルドと連携して悪魔共に対応している最中だ。来て早々で悪いがそちらに合流してくれ」
「わかりました」
仲間達を連れてロッテムハルト冒険者支部のギルドマスター室に転移する。
ギルドマスター室では疲労困憊といった感じのシフォンとギリアムがいた。
「ウィリアム卿か。急に現れたのでびっくりしたがよく来てくれた」
「ギリアム卿。シフォン殿。現在の状況は」
「逃げ遅れた人々を救出しつつ悪魔達の撃退をしている最中です」
「思ったよりも悪魔共が強くて兵士と冒険者の被害が増えています」
「領主館を占領されていると聞きましたが何があったのですか」
「どうも街中で突然現れたようで対応が遅れたとのことだった」
「ウィリアム卿達には中央を突破して首魁と思われるインクブスという悪魔を討伐していただきたい」
◆◆◆
「本当にウィリアムの奴を抹殺してくれるのであろうな」
インクブスの恐慌に脅えながらもロードベルトは詰問する。
「そなたには感謝しておるからな。それぐらいは構わぬが今は宴を楽しませよ」
部屋の片隅で脅えている幼女に手を伸ばすと服を乱暴に引き裂きその裸体を眺める。
「やはり成長する前の蕾は最高じゃのう。恐怖に彩られる顔。無理矢理引き裂かれたときにあげる苦痛の顔に声。それを食ろうた時の美味」
インクブスの周囲には無残にも食われた幼女達の成れの果ての姿が転がっている。
「そなたも恐怖に脅えておらぬでこの状況を楽しめばいい」
ロードベルトは恐怖から逃れるように目の前に転がる幼女に手を伸ばしていった。
◆◆◆
時折襲ってくる悪魔の相手をしながら進む。
領主館に近づけば近づくほど荒廃が酷くなってくる。
「悪魔と聞いて身構えていましたが存外弱いですね」
「これはインキュバスという女性の敵ともいえる悪魔です。容赦なく殲滅しましょう」
ラファエルが情け容赦なく槍を振るい飛びかかってきたインキュバスを屠る。
領主館の前に門番のように立っているインキュバスにミリアーヌが炎の魔法で燃やしミーシャが首を刈り飛ばす。




