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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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百十八話

与えられた個室で休んでいると誰かが訪ねてくる。

「ウィリアムさんまだ起きてますか」

「ミーシャですかこんな時間にどうしたんですか」

「もっと皆の役に立ちたいです」

「ミーシャは皆の役にちゃんとたっていますよ」

「嘘です。近接戦ではラファエルさんに負けて魔術はみんなの足元にも及びません」

今回はゴブリンジュネラルに苦戦していたのは確かだ。

今後敵の強さは跳ね上がっていく可能性は高い。

「眷属にすれば確かに戦闘力は上がるかもしれません。でもどんなデメリットがあるかわからないのですよ」

「構いません。皆と何よりウィリアムさんとずっと一緒にいたい」

「覚悟は固いようですね。それではいきますよ」

「はい。不束者ですがよろしくお願いします」

ミーシャの良い匂いが漂ってくる。

首に牙を突き立て血を啜り因子を送り込む。

「ふぁ」

ミーシャが艶めかしい声をあげる。

ミリアーヌの時は怒りに我を忘れていたが男としての欲が出てくる。

このままミーシャをめちゃくちゃにしたい。

理性を総動員して必死に気を逸らす。

因子を十分な量を送ったことを確認して首から牙を離す。

「ミーシャ終わりましたよ」

「ふぇ。あっ。はい」

顔を赤らめて何かを期待する眼差しを送ってくる。

咳払いして空気を誤魔化す。

「明日は悪魔と戦闘になる可能性が高いですからよく休んでください」

「はい。おやすみなさい」

ミーシャを見送った後気分を変えるためにコーヒーを入れて飲む。

魔王達の血を吸って力を奪った時とは違う温かい絆のようなものを感じる。

奪った力といえばゴブリンロードの血を啜ったことで体が強化された気がする。

コーヒーを一息に飲むと剣を持って外に出た。

基本的な型の動きをすると前よりも体のきれがよく精度も上がっている。

一通り型を試すと先ほどからじっとこっちを見ていたラファエルに声をかける。

「こんな時間にどうしましたか」

「何。眠れないから月を眺めようと思ったらウィリアムの姿が見えたのでな」

「そうですか」

「また腕が上がったように見える。今の私では勝てそうにないな」

「やってみなければわかりませよ」

「ふふ。そうだな。私はそろそろ戻るよ」

「はい。おやすみなさい」

「おやすみ」

部屋に戻り汗をクリアの魔法で乾かしベッドに横になると意識が沈み込んでいく。


◆◆◆

「新しい始祖ですか。出会えるのが楽しみですね」

「お姉さまご機嫌ですね」

「つまらぬ神との対話で心躍る情報は久しぶりですからね」

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