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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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十一話

翌日、南門でダッカス達と合流し依頼者を待つ。

荷物を大量に抱え眼鏡をかけた中年の男性が近づいてくる。

「すみません。遅くなりました」

「スリーピングのダッカスだ。あんたが考古学者のアーネストであってるか」

チームを代表してダッカスが対応する。

「はい。そうです。本日は私の依頼を受けてくださりありがとうございます」

「荷物が大変そうですね。私はウィリアムと申します。収納魔法を使えますのでよろしければ荷物をお預かりしましょうか」

「これはご丁寧にそれではこちらをお願いします」

両手に持っていたカバンとリュックを預かり収納魔法に収める。

「それではそろそろまいりましょうか」

ダッカスが音頭を取り、歩きながらアーネストが向かう場所の説明をしてくれる。

「我々が向かうのは南の遺跡群のカルチェラタンと呼ばれる場所となります」

「ゴーレムが出るとの話ですが」

「はい、大賢者と呼ばれたウィリアム様が修復保全を成された際に盗掘者対策としてゴーレムを配置したと記録では残っています」

「大賢者のウィリアムって奴は優秀だったんだな」

「そうですね。古代文明の技術解明に魔術や魔道具の開発を手掛け現在でも様々な恩恵を我々は受けています」

「その優秀な賢者様の仕掛けた防衛機構に悩まされるってわけか」

「ロッテムハルト伯爵家には本来ゴーレムをコントロールできる宝珠があったらしいのですが戦争でゴーレムを使役しようとした際に敵国とのゴタゴタで紛失してしまったようで」

「それはまた何とも言えないな」

聞き役に徹していたのだが念の為に展開していたサーチにオークの反応を探知した。

オークの近くには馬と人の気配もあり襲われているようだ。

「この先にオークの反応を探知しました。人が襲われているようです」

即座にダッカスが指示を出す。

「俺達が先行する。ウィリアムはアーネストを頼むぞ」

頷くとスリーピングの三人は現場に急行する。

数も少ないしダッカス達が駆けつければ十分討伐可能だろう。

アーネストと二人のんびり現場に向かっていく。

サーチのオークの反応が次々と消えていく。

ダッカス達の腕は思っていた以上に良いようだ。

現場に到達したときにはオークの排除は済んでいたが少し困り顔のダッカス達。

「俺達は無事なんだが元々の護衛である奴らが結構酷くやられててな」

よく見ると腕を抉られている者や足を抱えている者など怪我をしている者が多い。

元々この街道はあまりモンスターが出ることもなくポーションの備えを怠っていたらしい。

「それでは私が回復魔法をかけましょう」

怪我人一人一人にヒールの魔法をかけてまわる。

一通りかけ終わったところで馬車から中年の男性が出てくる。

「私は行商人のボンドと申します。この度は危機を救っていただきありがとうございます」

「いえ、たまたま通りかかっただけですから」

「せめてもの礼に昼食をごちそうさせてください」

時刻はまだ少し早いが断るのも失礼だろうということでお言葉に甘えさせてもらう。

「ウィリアム、物は相談なんだがこのオーク収納魔法に入ったりしないか」

「これぐらいなら全然大丈夫だ」

襲われていた行商人一行にも権利があるが荷物がいっぱいで引き取れないということで全てのオークを回収してまわる。

「言っといてなんだがお前さんの収納魔法はどうなってるんだろうな」

と呆れられてしまった。

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