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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
強者の責任

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92/120

第92話 訓練後の二人




「何これっ!何これっ!!」

「キャー!手のひらから水が出てるー!」


今、冒険者ギルドの地下一階の訓練場のある場所から、女子高生の悲鳴がこだましている。高木さんと一条さんの悲鳴だ……。


朝の話し合いの後で、冒険者ギルド公認の奴隷商に出かけ、二人を奴隷から解放。

その後、冒険者ギルドの地下にある訓練場で、二人のスキル訓練を行っている。


実は二人とも、幸いなことに『精神耐性』はちゃんと取っており、他の習得スキルもまともなものが多かった。

ただし、1つだけおかしなスキルを習得していた。


――――――――――――――――――――――――

【名前】 高木 岬

【年齢】 17歳

【種族】 人族

【職業】 地球の冒険者 / 高校二年生

【レベル】 1

【スキル】 異世界言語 アイテムボックス 鑑定

      弓術 射撃術 護身術 

      魔力制御 水魔法 

      精神耐性 気配察知 身体能力向上

      釣り


―――――――――――――――――――――――――

【名前】 一条 奈々美

【年齢】 16歳

【種族】 人族

【職業】 地球の冒険者 / 高校二年生

【レベル】 1

【スキル】 異世界言語 アイテムボックス 鑑定

      格闘術 気功術

      魔力制御 風魔法 回復魔法 

      精神耐性 気配察知 身体能力向上

      釣り


―――――――――――――――――――――――――


訓練前に見せてもらったステータスだが、お分かりだろうか?

そう、二人とも『釣り』スキルを取っていたのだ。


何故そんなスキルを?と聞いてみたところ、一緒にスキルを選んでいた大輔に、趣味スキルを選ぶのも冒険者の嗜みなのだとか……。


「そんな嗜みないよ?!」


と思わずツッコんだのは、凜のお友達の忍ちゃんだ。

まったく、大輔にはこの世界の冒険者について説明しておく必要があるな……。



さて、訓練場の一角ではしゃぎながら魔法の訓練をしている女子高生二人。

それを見守る女子高生の四人。


さらに別の場所では、真之介さんとさやかさんが射撃術を学んでいた。

どうやら、俺たちが使えて自分たちが使えないのが悔しかったようだ。

二人とも、いつになく真剣な表情である。


それにしても、高木さんと一条さんのステータスを見て思ったんだが、二人の戦いのスタイルというのが分かった。


高木さんは、弓術、射撃術を取っていることから、遠距離攻撃を主体としている戦い方。パーティーの後方からの攻撃役だ。


また、高木さんとは逆に、一条さんは前へ前へ出る前衛攻撃型。

まさに力こそ正義、みたいな戦い方になるだろう。

でも疑問も残る……。


高木さんはともかく、一条さんは自分の拳で殴ればいけると思えるんだよね?

足で蹴っても良いし。なのに、魔物に対してまともに戦えなかった。


これはおそらく、スキルの格闘術は、習わないといけない、もしくは訓練しないといけないある種の型みたいなものが存在するのではないのか?

その型を知らいないだけで、ただ殴ったり蹴ったりでは、スキルが発動することはなかったと……。


ん~、スキルのことを考えると、頭が痛くなるな。

今度、図書館でスキルについての専門書みたいなものがないか調べてみよう。


ちなみに、今の俺のステータスも教えよう。

――――――――――――――――――――――――


【名前】 西園寺 康太

【年齢】 17歳

【種族】 人族

【職業】 地球の冒険者 / 高校二年生

【レベル】 103

【スキル】 異世界言語 アイテムボックス 鑑定

      槍術Lv6 棒術Lv4 投擲Lv3

      射撃術Lv3 

      魔力制御 回復魔法Lv2 解体魔法Lv3

      精神耐性 気配察知 薬草知識

      錬金術Lv2

【称号】 オークハンター

【所持金】 金貨1枚/銀貨2枚/銅貨5枚

      ギルド預金 0


――――――――――――――――――――――――


お分かりだろうか?俺の所持金の無さに……。

そう、俺はオークションで散財してしまったのだ……。


オークダンジョンでの分け前だけでは足りず、妹の凜に借金までしてしまったダメ兄貴である……。


く、お金を貸してくれる時の凜の顔が、今思い出してもムカつく……。




▽    ▽




冒険者ギルドでの訓練の後、まだ時間もあるということで町の外に出て狩りをしてみることになった。

高木さんと一条さんをパーティーに入れると、パーティー登録人数いっぱいとなる。


「そっち行ったよ!」

「私に任せて!」


体長一メートルほどの猪型の魔物『ボア』を追いかけまわし、足止めをするため高木さんが弓を構える。

走るボアの手前を狙い、矢を放った!


高木さんの放った矢は、狙い通りにボアの目の前に突き刺さり、それに驚いたボアは前足を上げその場に止まる!


『ビギギィッ!』

「【ウィンドカッター】!」


そこにタイミングを合わせた一条さんが、風魔法でボアの喉笛を切り裂いた!

その一撃が致命傷となり、ボアは地面に転がりそのまま絶命したのだった。


「……た、倒したー!!」

「……魔法って、すごい……」


高木さんと一条さんの反応が面白い。

でも、こっちに来て初めて魔物を倒したということになるのか……。

二人が感動している所へ、日向さんたちが集まりお祝いしている。


ちゃんとスキルが使えれば、魔物相手に戦えないってことはないんだよね。


……やっぱり、地球に帰ったら大輔たちによく言っておこう。

俺は、倒したボアを解体魔法で解体しながら、地球に帰ってからのことを考えていた。


現在、午後四時二十六分。

明日には、俺たち日本に帰るけど、まだまだ春休みは終わらない……。





今日は、ここまで。

次回は、やっぱお仕置きか?








第92話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

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