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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
強者の責任

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第88話 オークション開催! 前編




「魔剣イブルニードが最初の出品物か。

ダンジョンのボスを倒して手に入れたものらしいけど、いくらぐらいの値が付くんだろうか?」


冒険者ギルドの地下一階にある訓練場は、すっかり今回開催されるオークションの会場となっていた。

その右端の中間あたりの席に、俺たちが座っている。


そこで、まだ始まらないオークションに出品される商品のカタログを見ながら、悠太が隣の席の俺に質問してきた。


「さあな~、買うにしても剣を使う冒険者だろ?

俺は槍使いだし、悠太は弓だろ?俺たちには関係ないよ……」

「ふむ、それもそうか……」


「それに、悠太は午後の奴隷オークションが気になっているんだろ?」

「そう、そうなんだよな~。

ああ、もっとお金を稼いで環境を整えたかったぜ……」


後悔先に立たず。

一介の学生の俺たちには、まだまだ、奴隷を持つには早すぎるということなんだろう。

でも、悠太はいつか必ず、奴隷を持つつもりなんだろうな……。



今回開催されるオークションは、冒険者を対象としている。

そのため、冒険者ギルドが開催しているわけだが、参加者もまた冒険者が大半だ。


地下一階の会場に、今まで見たこともないほどの冒険者が集まっていた。


会場内は、武器や防具の持ち込みを禁止していたが、アイテムボックスがある中で、どれだけの冒険者がルールを守るかは疑問だ。


それに、どう見ても貴族でしょ?という人たちや、俺たちと同じ地球の冒険者、冒険者ギルドの職員と思われる人まで参加するようだ。


……何か、欲しいものでもあるのだろう。


俺が、会場をぐるりと確認したところで、正面のステージに1人の男性が現れた。

あれが、司会者か?


『皆様、お待たせいたしました!

冒険者ギルドによる、冒険者の皆様に向けたオークションを開催いたします!!』


―――パチパチパチパチ!


会場から、盛大な拍手が送られる。

ここに集まっていた人たちは、今か今かと待っていたようだ。


『ありがとうございます。

それでは、エントリーナンバー1番、ヴィナーダンジョンの40階層のボスを倒した後の宝箱より出た『魔剣イブルニード』でございます!


この魔剣は、帯電効果を持っており、この剣で切られたものを一時痺れさせることができる特殊剣となっております。

剣を扱われる方は奮ってご参加ください。


それでは、金貨1枚からスタートとまいります!』


『金貨2枚!』『金貨5枚!』


次々と番号札が上がり、金額が吊り上がっていく。

ちなみに、俺たちもそれぞれ番号札を持っている。この会場に入る入口で、出品リストの紙と一緒に渡されたのだ。


「康太、どんどん値が吊り上がっていくな……」

「欲しい人が、それだけいるってことだろ?」

「需要があるのか……」


オークションの競りはそんなに長くかかるものではない。

一つの出品物に対して、五分から十分だ。

だからこそ、サクサクと進んでいくだろう。


『金貨22枚!金貨22枚!……金貨22枚で、三十二番の方、落札!』


『おお~』

―――パチパチパチパチ!!


会場の落札者への声と拍手が混ざって起こる。

誰か、珍しい人が落札したのだろうか?……この席からは見えないな。


「……何か、騒がしいな」

「珍しい人が、落札したみたいだよ」

「ほう、誰だ?」


悠太の隣の竹原さんが、会場の騒がしさに驚き、さらに隣の日向さんが説明して、竹原さんが探し始めた。

会場は、少し暗くしているんだから、そう見つからないだろう……。


『では続きまして、エントリーナンバー2番!これまた、ヴィナーダンジョンで手に入れた『魔剣オーブナー』です!

これは、ダンジョンボスを倒して手に入れたものではなく、隠し通路にて手に入れたものでございます。


剣に炎を纏わせ、切り口を燃やす効果があるとか。

それでは、これも金貨1枚からのスタートとなります!』


『金貨3枚!』『金貨5枚!』



こうして、再び競りが行われどんどん値が吊り上がる。

しかし、俺たちがほしいものはリストで確認したかぎり、無かった。


「う~ん、欲しいものがないな……」

「悠太、欲しいものが出るまで、無駄遣いをするなよ?」

「分かってるって」


俺たちは、今のところ武器や防具は店売りのもので間に合っている。

特殊な武器や防具を使うには、まだまだ経験が足りないような気がするのだ。


それに、魔法も使えるし、仲間もいるので戦力が心もとないということはない。

だからか、俺たちは武器や防具のオークションを聞き流していた……。




▽    ▽




『続きまして、ここからはアイテムに移ります!

まずは、エントリーナンバー42番!オークダンジョンより持ち帰られた素材で作りました、エネルギッシュポーション!

そうです、男性の味方、そして子供のできない夫婦の味方のポーションでございます!


……これは何も言いますまい、金貨1枚からのスタートです!』


『金貨2枚!』『金貨3枚!』



……あれって、俺たちが冒険者ギルドに買い取ってもらったオークの睾丸で作られた薬か?

どうしても、子供のほしい夫婦の味方、ね~。

でも、どんなものでも使い方次第なんだな……。


『はい!金貨30枚で、十二番の方が落札です!』


―――パチパチパチパチ!


会場から拍手が送られているが、落札者は、どこか恥ずかしそうだ。

でも、嬉しそうでもある。

落札した、あの精力ポーションを使って頑張るつもりなのだろう。


「なあ、あれって俺たちがギルドに売ったものの中にあった素材で作ったものか?」

「おそらくな。買い取ってからすぐに作らせたもの何だろう」

「でも、効果は確実なのか?」


「あれほどの金額になるんだから、効果は確実なんだろう?」

「……そうか」


そういう力があるんだろうな、オークのものには……。



さて、いろいろ出てきたが、お昼休憩をはさんでいよいよだな。





今日は、ここまで。

次回は、オークション奴隷編。







第88話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

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