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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
強者の責任

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第80話 借りることのできた家




屋敷を貸し出す代わりに、聞いてほしい条件とは?

俺たちは、どんな条件なのか考えながら、道を進んでいった。


そして、先頭で案内をしてくれていたキャロルさんが立ち止まる。


立ち止まったキャロルさんの先にあったものこそ、俺たちが借りるお屋敷だった。


「……えっとキャロルさん、この屋敷が?」

「そう、これが金貨二枚で借りれたお屋敷です」


俺たちの目の前にあるお屋敷は、どこかの学校かというほどの大きさだった。

確かに、建物は二階までしかないが、大きさが半端ない!


庭は本当に広くて、俺たちの通っている高校のグラウンドと変わらない。

でも、何もないわけではない。

芝生やいろいろな木が植えられているし、花壇もあっていろんな花が咲いていた。


手入れも行き届いていて、ゴミ一つ落ちていない。


「キャロルさん、庭師の方がいるの?」

「十日に一度、手入れのために来るそうよ」

「へぇ~……」


立派な門の前から庭を見ているだけだけど、手入れされていたのは分かった。

屋敷を囲む塀も、格子状になっているとはいえ丈夫そうな立派なものだ。


門についている鍵を開け、俺たちを中へと招き入れるキャロルさん。


「さ、どうぞ~」


俺たちは、キョロキョロと屋敷の庭を見ながら中へと進んでいく。

ここまで立派な屋敷で、持ち主がさる豪商の人っていうのだからどれだけ大金持ちなのかは想像できなかった。


でも、豪商じゃなくて貴族でした、といわれても納得できる大きさだ。

そして、屋敷の玄関までの道が長い!

この世界では、歩くしかないけどここまで距離を取る意味が分からない。




とりあえず、二分ほどで玄関についたけど、遠かった。

玄関もまた大きい。


知識にあるお金持ちの家の両開きの扉のイメージそのままに、玄関扉があった。

キャロルさんが、鍵を開けて右の扉を開けて中へ入っていく。


俺たちももちろん、それに続いていく。


「ここが、このお屋敷の玄関になります。

あ、コハルちゃん、リコちゃん、ブーツは脱がなくてもいいのよ?

この屋敷は土足厳禁になっていないんだから……」


……そうだよな、この町の宿も土足禁止じゃなかったし、玄関といえど段差があるわけでもないから、ブーツのまま入ればいいのか。

日本と同じ感覚で、俺も脱ごうとしてしまった……。


改めて、俺たちは異世界に来ているんだと自覚し、ブーツのまま屋敷の中へ上がっていく。



「俺も、ブーツを脱ぎそうになったよ」

「康太も?俺もだよ」

「どうやら、みんなそうみたいだね。僕も脱ぎそうになっていたよ」


悠太も真之介さんも、俺と同じように脱ぎそうになっていたようだ。

日向さんと新城さんに告白するように、他の女性陣も脱ぎそうになっていたと打ち明けている。


これは、日本人ならではなのかもしれないな……。




▽    ▽




その後、キャロルさんに屋敷の一階、俺たちそれぞれの個室のある二階を案内してもらい、最後に諸注意をここ、食堂で聞いていた。


この食堂も、長いテーブルにたくさんの椅子が並び、貴族の屋敷の食事するところの様な場所になっている。


「では、門の鍵をコータ君に預けます。

コータ君、地球に帰るときは私のところにこの鍵を返しに来てね?」

「はい、分かりました」


キャロルさんが、俺に鍵を預けると責任者が俺たちに変更される。

今日から約十日間は、この屋敷を俺たちの好きに使っていいのだ。


「ところで、最初に言っていた条件て何だったんです?」


真之介さんも聞こえていたんだな。

思い出したように、キャロルさんに質問してきた。


その時、玄関から来客を知らせる魔道具のチャイムが鳴る。


「あ、ようやく来たわね。

ここを使うための条件が来たわよ……」


そう言って、キャロルさんは玄関へ向かって行った。

俺たちには、ここで待っておくように言って。




▽    ▽




食堂の椅子に座り、条件とは何なのかみんなで考えていると、キャロルさんが食堂へ戻ってきた。

二人の白い服を着たシスターを連れて。


「シスター?」

「そうよコータ君。この屋敷を使わせてもらう条件、それは、ここにいる二人のシスターをコータ君たちのパーティーに入れて鍛えてもらうことよ」


……なんだって?


「「「はっ?!」」」

「鍛えるって、シスターを、ですか??」

「何でそんなことを??」


俺たちは混乱した、シスターの二人を鍛えることもそうだが、そもそもなぜシスターを鍛えなければならないのかが分からない。


そんな俺たちの混乱が分かったのか、キャロルさんが手を均す!

たった一回の柏手だったが、俺たちを止めるには十分な威力だった。


「混乱しない!これから訳を説明します。

でもその前に、二人のシスターを紹介するわね」


そう言って、シスターに自己紹介を促す。

そして、まずは俺たちから見て、右側のシスターが口を開いた。


「この町の教会に勤めている、ソフィアと申します。

去年シスターになったばかりで、それまでは見習いでした。

どうぞ、よろしくお願いいたします……」


「私は、シャーロットよ。

私も去年シスターになったばかりなの。その前は商家の娘だったし。

とにかく、鍛えないといけないのよ、よろしくお願いするわ」


ソフィアさんは、本当のシスターさんって感じだな。

物腰も柔らかいし、なんだか守ってあげたくなる。


シャーロットさんは、言葉遣いがまだシスターって感じじゃないな。

前は商家の娘なら、あの喋り方になるのかな?


しかし、どちらもスタイルがいいし顔も美人だ。

さらにシスター服っていうのか?それが、スタイルの良さを分からせていた。

……ワザとか?それとも、動きやすくするために体のラインを見せているのか?


まあ、何にしてもあれは鎧で隠れるだろう。


「それで、彼女たちを連れて行く理由とは何ですか?キャロルさん」

「孤児院のためよ」


………へ?





今日は、ここまで。

次回は、何故孤児院のためにシスターが?







第80話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

今回も、前回と同じく途中で切って、申し訳ない!

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