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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
緊急依頼のすゝめ

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第69話 今後のダンジョンと雑談




「ダンジョンコアはね、聖剣でないと壊せないのよ」

「聖剣、ですか?」


天空のダンジョンを攻略し、ダンジョンボスのグランドドラゴンを倒した俺たち。そのドラゴンの素材をどう分配するかで話し合っている端で、俺とエマさんはダンジョンコアの処遇について話している。


……聖剣か。

その聖剣でないとダンジョンコアを壊せないとなると、このダンジョンはそのままということになるのかな?


「コータ君は、再びダンジョンから魔物が出てこないように、六階層に仕掛けをしたの、覚えてる?」

「そういえば、何か魔道具を取り付けてましたよね」


「あれは、魔物がよりつかなくなる魔道具なの。

あれを取り付けたことで、六階層から下へ魔物は落ちることはないし、その出入口の側には、安全地帯を作れたしね」


「次の攻略からは、楽になると?」

「そういうこと。地表からダンジョンへのルートも確認したでしょ?」

「……そういえば、魔法陣で運ばれましたね」


「第一、今回の緊急依頼はダンジョンの攻略がメインじゃないのよ?」

「え?」

「今回、領主様が困っていたことは、ダンジョンから魔物が落ちてきて近隣の町や村が困っているってことだったでしょ?」


……そういえば、そんな理由だったな。

ということは、これで魔物はダンジョンから出てこないんだから、依頼達成ということか……。


「依頼達成、お疲れさま。コータ君」


そう言ってエマさんは、ニッコリと笑うのだった……。

その後、ダンジョンコアの部屋で話し合っていると、床が光り、魔法陣が浮かび上がると、俺たちは全員が天空のダンジョンの一階層があったところに転移していた。


……上を見上げれば、天空のダンジョンの五階層の天井が見える。




▽    ▽




グランドドラゴンは、転送前にギルド職員のキャロルさんがアイテムボックスに収納していたので、事なきを得たが、あのまま話し合いを続けていけばドラゴンの素材をダンジョンに置いてくるはめになっただろう。


そのことにギルド職員から注意を受け、俺たちは馬車に乗りナブトの町まで帰ることになった。

領都に寄らないのは、ドラゴンの素材を他の町で解体させたくないギルド職員の総意でもあった。


エマさんにコッソリ本当のところを聞くと、領都の冒険者ギルドには嫌な職員が大勢いるからだとか。

同じギルドでも、合う人と合わない人がいるんだな……。



「キャロルさん、ダンジョンで手に入れた宝物も分配対象ですか?」


馬車の中で、女性陣で談笑している所に、俺がちょっと気になったことを質問してみた。


「ん?個人やパーティーで手に入れた宝物は、分配対象からは除外されるわよ。

あれは、最後のドラゴンの素材や最後に出てきた宝物に対してのものだからね」

「急にどうしたの?攻略中、いいものでもあったの?」


答えてくれるキャロルさんに、側にいたエマさんが俺をからかってくる。

俺が心配したのは、攻略中に手に入れた『無限鞄』についてだ。


この鞄があれば、地球の物をこっちの世界へ持ってこれるのだ。


「あの無限鞄ね?コータ君は、何か持ってきたいものでもあるの?」

「俺は、こっちの世界の動画を撮りたいんです。

そして、投稿動画として紹介してみたい」


俺の考えを聞いた日向さんが、初めに反対する。


「私は反対だな、それ。

西園寺君、最近のニュース見てる?」

「……聞き流してる」


その俺の答えを聞いて、今度は竹原さんが口を開く。


「西園寺、私もニュース見るほうじゃないけど、今その投稿動画で大変なことになっているんだぜ?」

「そうなのか?」


次に口を開いたのは新城さんだ。


「どこかのバイトが、働いているお店で食材などを無駄にするような動画や、仲間内だけに見せるようなバカな動画が問題になっているんですよ?」

「……それは…」


「それね、テレビ業界の人の中にもやってる人がいるのよね。

流出していないから、まだ問題にはなっていないけど……」

「確か、若い人たちやバイトで働いている人に多いみたいですね。

番組作りの制作会議で何度か注意されてました……」


今度は、大篠さんとマネージャーの木下さんだ。

直接芸能界に関係してる二人の意見は、実感があった。


「お兄ちゃん、お兄ちゃんは恥ずかしいお兄ちゃんにならないでね?」

「分かったよ……」


最後の妹の凜の言葉で、俺はあきらめた。

でも、そうなるとこの世界に持ち込む物は、考えないといけないな……。


そんなことを考えながら、俺たちはナブトの町までの道中を過ごしていった。

この世界に来て何日が過ぎただろうか?


転送陣の『時間調整』で、一月六日に転送できるからといっても、こっちで過ごした時間は変わらない。

それだけ、年を取ったことになるんだよな……。


「そういえば、寿命ってどうなるんだ?」

「ん?どうした康太、いきなりな質問だな」

「悠太、考えたことないか?この世界では種族間で寿命が違うだろ?」


「まあ、そうだな」


そう言って悠太は女性陣と話し込んでいる、キャロルさんとエマさんを見る。

確かにエルフは長寿だけど……。


「よく、魔力が上がると寿命が延びるって話があるだろ?」

「ああ、ファンタジー小説だと定番になりつつあるよな……」

「それで、人族の、それも俺たち異世界人の寿命はどうなのかな?って」


そう言うと、悠太は腕を組んで考え始めるが、エマさんがこの疑問に答えてくれた。


「延びるわよ」

「……え?」


俺と悠太は、エマさんの言葉に驚きエマさんを見る。

さらに、話を聞いていたのか他の女性陣も会話をやめてエマさんを見る。


「えっと、エマさん、今何と?」

「だから、寿命でしょ?本人の魔力が上がれば延びるわよ。ね?」

「ええ、確実に寿命は延びますね」




今日は、ここまで。

次回は、異世界の役得?の話。







第69話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

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