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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
日本で過ごす

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55/120

第55話 新年の初詣 2




初詣に来た康太と悠太、そして、康太の妹の凜。

階段をのぼり、鳥居をくぐると見知った人を見つけ声をかける。

そこには、駅前の冒険者ギルドの職員のワークさんとナンシーさんがいた。



「ワークさんたちも、初詣に来たんですか?」

「そうだよ、大晦日と元日を休みにしているからね。

毎年の年初めには、こっちの神様に挨拶することにしているんだよ」


……なるほど、日本というか地球の神様に挨拶ですね。

異世界と日本が繋がって、人が異世界に流入。

そうなると、地球の、しかも日本の人口が減っていく……。


それで年初めにこうして神社に挨拶に来ているというわけか……。

まあ、神様に届いているかは分からないけど。


「へぇ~、毎年ワークさんが神社にお参りに?」

「僕しか、手の空いているものはいないからね……。

今回は、ナンシー君が付き添ってくれたけど、いつもは僕一人だよ」


「そういえば、掲示板で駅前のギルドに行列ができてるって知ったんですけど?」

「そうなんだよ~、あの放送以来、すごい人でね?

冒険者になりたい人がこんなにいるんだと喜んだんだけど、苦情も多くてね……」


あ~、わかる気がする。

本当の冒険者になるのに、チートスキルがないからだろうな……。

みんな、ゲーム感覚なのかもしれないな……。


「それって、ゲーム感覚ってやつかな?」

「そうそう、異世界で無双したい人が多くてね?

何故かみんなチートスキルを探すんだよね……。僕たちから言えば、チートって何?って思うんだよね」


それはそうか、異世界の人は『チート』という言葉自体知らないよな。

確か、意味はズルいとか不正とかだったかな?


「後は、受付嬢たちを誘ったりすることはやめてほしいんだけどね……。

彼女たちは仕事だから、愛想よくしているだけなんだけど……」

「そうね、プライベートと仕事は区別してほしいわね。

自惚れな人が多いのよ……。はぁ~」


ナンシーさんが溜息とか、苦労しているな~。

でも、こっちにはギルドの受付嬢クラスの美人って少ないからな。


「お疲れ様です、ナンシーさん」

「他の冒険者代表して、申し訳ないです……」

「いいのよ、コータ君やユータ君のような気づかいのできる冒険者もいるって分かっているからね?」


迷惑かけてるな~。

でも、これって異世界モノの小説とかが数多くあることも原因の一つなのかな?

確か、受付嬢と結ばれるものもあったな……。



ワークさんたちと話していると、俺たちの周りが騒がしくなってくる。

境内の端に寄っているはずなのに、いつの間にか人だかりになっていた。


これは、そろそろお参りして帰らないと、迷惑になるな……。


「ワークさん、ナンシーさん、そろそろお参りしませんか?」

「そうだね、人が多くなってきたからね」


そう言うと、俺たちはワークさんたちと一緒にお参りすることに。

ナンシーさんが、うちの妹の凜に挨拶しているけど、恐縮しているな……。


そして、俺たちがワークさんと移動すると、周りの人達も移動するわけで、結局まともに参拝できなかった……。




▽    ▽




参拝が終わり、人の多さにおみくじも引けずそのまま帰ることに。

帰りの階段を降り切ったところで、ワークさんからお知らせを言われる。


「そうだ、こっちか向こうの受付でギルドカードを更新してね。

人が増え始めたってことで、ギルドカードの表示方法が少し変わるんだよ」

「ギルドカードの表示方法が、ですか?」


「正確には、表示の仕方かな?

向こうでステータスを確認すると分かるよ。

見やすい表示に変えるって、向こうの神様からお告げがあったんだよね」


「分かりました、このことはこっちのギルドの掲示板にも貼ってあるんですか?」

「ああ、でも、見てくれる人が少ないようなんでね?

転送の時にお知らせするようにお願いはしているけど、ここのところ人が増えたからね~」


ギルドカードの表示が変わるのか。

もっと見やすい、分かりやすいものになるのかな?


ワークさんたちと別れて、歩いていると妹の凜が質問してくる。


「お兄ちゃん、冒険者って年齢制限あるの?」

「ん?凜も冒険者になりたいのか?」

「うん、お兄ちゃん達楽しそうだし、私も友達と一緒にやってみようかなって」


ん~、年齢制限は無かったと思うけどどうだったかな?

そう考え、悠太の方を見ると、悠太も俺を見ている。

どうやら、お互いに分からないか自信がないようだ……。


「年齢制限があったかは分からないから、今度行ったときに聞いておくよ。

三日から、向こうに行く予定だし……」

「分かった、こっちも準備だけはしておく」


「準備って?」

「行ってくれるメンバーを探す」

「……なるほど」


メンバー、まだ決まってなかったのか。

まあ、俺たちも昨日行くことが決まったからな。

それぞれの都合もあるんだろうけど、俺と悠太の都合はお構いなしなのはな……。


「お兄ちゃんは、いつまで行くの?」

「六日だよな?」

「ああ、三日から二泊三日で異世界へ行く予定だ」


「学校、大丈夫?」

「月曜からだから、大丈夫だよ。三学期は、重要な行事とかないし……」

「……確かに」


三人で、他愛もない会話をしながら家路を帰っていった。




今日は、ここまで。

次回は、異世界で事件です!







第55話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

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