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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
冒険者への依頼

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第46話 この世界の秘密




「葵ちゃんも琴音ちゃんも、今までの話についてこれてる?」

「ん?私は大丈夫よ、大体のことは分かるから」

「私も推測できているから、大丈夫。

クリスマス前にこっちに来た時の話でしょ?」


日向さんが、竹原さんと市原さんが話について来ているか確かめたみたいだけど、どうやら、その心配は必要ないようだ。


「エマさん、木箱に書かれていた送り先が潜入する店だとして、こういう時って、闇の組織なんかが関わるときがあるみたいなんですけど、その辺りはどうなんです?」


「闇の組織?そうね~、考えられなくもないんだけど、どこが関わっているかが分からないと調べようがないのよね……。

それに、この町には闇の組織は今はいないはずだし……」


え?今はいないってどういうことだろうか?

エマさんから、気になる台詞を聞いてしまった。


「あの、今はいないってことは、昔はいたんですか?」

「あ、あ~、まあいいか。

実はね、異世界の地球の日本に冒険者ギルドの支部を置くことが決まってから、この町では一斉の掃除が始まったのよ。

闇ギルドから町周辺の盗賊どもまで一斉にね?


冒険者ギルドが主体となって、一斉に掃除をしたおかげで闇ギルドの壊滅や盗賊の討伐、闇組織の解散などなど、今では信じられないような掃除を一斉にしたのよ」


何でそこまでして……?

日本に冒険者ギルドを置くだけでしょ?


「フフ、何でそこまでしてって不思議に思っているでしょ?

信じられないでしょうが、そこまでしないといけなかったのよ。


異世界である地球との交流は、実を言うと勇者召喚よりも大変なことなの。

勇者召喚は、勇者を呼べばいいだけだからね?

でも、今回は異世界の地球とこっちを行ったり来たりしなくてはいけない。


それを考えれば、どれだけ大変なことか分かるでしょ?

そして、どんな人たちがこのことに関わっているかも……」


……そういえば、この交流の話、よく考えてなかったな。

確かに、よくよく考えれば、いったいどんな人たちが関われば実現するんだって話だよな……。


「確かに、エマさんの言う通りよね?

私たち、異世界に来れることで舞い上がっていたけど……」

「うん、よく考えれば何も分かってなくて、この世界で過ごしていたわ」


日向さんと新城さんが、事の重大さに話し合う。


「エマさん、そもそもこの地球との交流って、どこから出た話だったんですか?」


俺の質問に、エマさんがニヤリと笑う。

何やら重大なことに触れたようだ……。


「みんなはこの世界がどうなっているのか知ってる?」

「……エマさん?俺の質問とどういう関係が……」

「コータ君、待って。

この質問からすべてが分かっていくから、ね?」


どうやら、エマさんは話してくれるようだ。

が、話す順番があるみたいだな……。


「えっと、この世界がどうとは?」

「私は、地球の世界地図を見たことあるわ。

あの世界地図のように、この世界はどんな形なのかって言うこと」


「あの、この世界も地球と同じ惑星ってことですか?」

「ええ、この世界も地球と同じ球体の惑星よ?

その先には宇宙もあるし、他の星々もある。もちろん太陽や月だってね?」


なるほど、宇宙があるのか……。

ということは、衛星を打ち上げれば、空からの地図ができそうだな……。


「それなら、地球と同じ大陸があり海がある。

山があり川もあるってことですか?」

「そう、そして、この世界には十二の大陸があるのよ。

それぞれの大陸にいろいろな多種多様の人種がいて生活をしている」


「ふむ……」

「いろいろな人種がいるということは、それぞれが信じる神も存在するの。

しかも、この世界は魔法が主体となっているから神が実在できるのよ」


「「「え?!」」」


……神が実在するには、魔力が必要だったのか?!

それなら、地球に神が実在しないのは、魔力がないから?


……いやいや、待て待て。

そもそも、神様と何の関係が?


「あの、神が実在することと何の関係が……」

「分からない?今回の地球との交流は、神様が発起人なのよ」


「「「はあっ?!」」」



……俺たちの驚いた顔を見て、エマさんが笑ってる……。

してやったりって顔だ。


「正確には、この世界には百以上の神が存在するんだけど……。

あ、魔神とか邪神とか合わせてね?

で、その神様の中の比較的若い神様十人が、今回の異世界との交流を計画したのよ。


それも、それぞれの大陸に一か所という制限をしてね?

で、その交流でそれぞれの大陸がどう発展していくかを見るためだとか」


それぞれの大陸に、一か所ということは、この俺たちがいる大陸の異世界との交流場所は、ここだけということか……。


「その若い神様たちの提案に、一番ノリノリだったのがすべての神様の頂点にいる創造神様だったから、トントン拍子で話が進んだのよね……」


「なるほど、逆らう神様もいなかったってことなのか?」


悠太が、神様の力関係の質問をする。


「そうじゃなくて、他の神様たちもこの世界のことを憂いていたのよ。

魔法が発達したために、文明の進化が遅れていたためにね……。

教育や料理、芸術など。


そういうものが発達しそうになると、どこかで戦争がはじまり、芸術は吹き飛び、料理は戦いの中でも簡単に食べられるものを求め、教育は上の者には逆らわないとかね。

で、結局、戦後処理で文明の発展は一からやり直し。


そんな世界だからこそ、異世界の文明を取り入れて革命を起こしたかったのかもね」


文明の大革命か……。

それで、この町が異世界と繋がる町に選ばれた……。


「あ、そうか、この町の一斉掃除の意味が分かったわ!

地球から、異世界から来る人達の安全確保とこの世界から悪人を地球に送らないためなんですね?」


「コハルちゃん、正解!

でも、まあその前にこの大陸でひと悶着あったんだけどね……」


エマさんの表情が、笑顔から黄昏てしまった。


「もしかして、町選びで何かあったんですか?」

「ええ、あったわ。

この大陸にあるすべての国が、自分の所はやめてほしいって嘆願してきたのよ。

で、結局、押し切られる形でこの大陸の一番小国であるここが渋々請け負うことになったのよ。

で、この国の貴族の連中も、自分の領地の町にはって言うので、こんな辺境の町にようやく決まったのよ」


……なるほど、異世界の文明がどんなものか分からないうえに、今の自分たちの地位を脅かすかもしれないから受け入れられないってことか……。


……これは、時間かかる事業だよな……。

まあ、神様にとっては、時間なんて関係ないのかもしれないけど……。




今日は、ここまで。

次回は、祝勝会……したいな。







第46話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

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