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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
冒険者への依頼

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第41話 薬草採取、開始!




「はい、冒険者六人、ギルドカードを確認しました。

武器は門を出てから装備してください。

それと、帰って来た時は、ギルドカードの提示をお忘れなく」


俺たちは東門そばの兵士詰め所の窓口にて、ギルドカードの提示をおこなった。

これで、町から出る許可が出たわけだ。



「面倒くさい手続きだな……」


悠太は、東門をくぐりながら文句を言っている。

確かに、面倒くさい手続きだけど、こういうのは空港の出国手続きと同じようなものだろう。


「しょうがないよ、悠太。

よくラノベとかである『この球に手をかざして』とか言われる魔道具が無いんだから」

「ああ、あの犯罪者かどうか調べるアレか……」


「西園寺君、アレ無いの?

私、楽しみにしていたのに……」


犯罪者かどうか調べる透明な玉がない事に、残念がるのは意外にも市原さんだ。

市原さん、こういうファンタジー系の小説が好きだったのね。


また、新城さんと竹原さんは、東門に口を開けて驚き見上げている。


「この東門って、結構立派で大きいのね……」

「門の上にある彫刻が目を引くよな……」

「あの紋章の両側にある、祈りをささげる天使が何とも……」


日向さんは、門に施された彫刻を褒めると、今まで見上げていた新城さんと竹原さんも彫刻を褒めだした。

こういう町の外と中を繋ぐ門って、外敵からの侵攻を守るだけじゃなくて、町の威厳というかそういうものを表しているんだよね……。


ちなみに、西の門には騎士が、南の門には戦乙女が、そして、北の門にはドラゴンが祈りをささげている。

芸術性も高い立派な門だよ……。



そんな東門を抜けると、そこは広い街道がまっすぐ延び、その両側には草原が広がっている。

さらに草原のはるか遠くには木々の生い茂った森や、さらに遠くにはおそらく高い山が確認できる。


街道には、町に向かうため並ぶ馬車や人がいたり、町を出て目的地へ向かう馬車がゆっくり走っている。

さらに、街道の端を歩いて行く人まで確認できた。


「……これが異世界の景色なのか……」


悠太は、この景色に感動したようだ。

他の女性陣も、ジッと町の外に広がる景色を眺めている。


俺は、この景色にはなれているので、そっとアイテムボックスから自分の武器であるハルバートを取り出し肩にかついだ。


とりあえず、みんなが飽きるまで待つか……。




▽    ▽




皆が飽きるまで待つこと十分、ようやく俺が武器を担いでいることに気付き、自分たちのアイテムボックスから武器を取り出して装備した。


「西園寺君、武器のこと、ちゃんと言ってよ……」

「そうそう、俺たちを待つことないだろう?」


悠太たちはそう文句を言いながら武器を取り出し装備するが、俺には、異世界の景色に感動する気持ちが分かるんだよな……。


「俺も、初めて町を出た時やったことだからな。

気持ちは分かるから、飽きるまで待ったんだよ」


「康太もそうだったのか……」

「地球から来た冒険者は、必ず異世界の景色をじっと見るみたいだぞ?」

「そうなのか……」


「地球とは、感じが違うからな。

自然あふれる場所は地球にもあるけど、この景色は何か感じが違うんだよな、地球と……」

「あ、それ分かるわ~」

「草原って地球にもあるけど、何かここの草原と違うのよね~」

「……なんだろうね……」


そして、みんなで草原を見る。

すると、新城さんが声を上げた。


「あ、薬草見つけた!」

「え?」

「は?」


新城さんは、そう言うと草原に走って行き、俺たちのいる場所から十メートル先の草原にしゃがみこむ。

そして、一本の草を根っこから丁寧に抜き、俺たちに見せてくれた。


「ほら、これがポーションの材料で、採取依頼にあった薬草だよ」


俺たちはお互いの顔を見合わせると、もっと近くで見ようと新城さんのもとに駆け寄っていった。




「ほら、これが薬草の『ポルマリン草』だよ」

「『ポルマリン草』?」

「そう、これがポーションに使われる薬草だよ。

そして、採取依頼のあった薬草、私たちはこれを集めればいいんだよ」


新城さんの手にある薬草をじっと見る。

うん、鑑定でも『ポルマリン草』と出ている。

初級ポーションの材料だってことも、表示されている。


俺の鑑定も、あの夏休みの頃と変わらず表示されていた。

……この中で表示されないのは、悠太だけか?


俺は、悠太が気になって視線を向けると、案の定、難しい顔になっていた。

あれは、鑑定でも表示されず困っている表情だ。


「悠太、鑑定で表示されるか?」

「『ポルマリン草』とだけ表示されるんだよ……。

詳しいことは、全然表示されない……」


「遠藤君は、図書館で薬草の本を見て無かったわね、そういえば」

「まあ今は、名前が表示されるだけでいいんじゃないか?

『ポルマリン草』は、根っこまでを丁寧に採取することに気をつければ」


「ん~、まあ気をつけて採取してみるか……。

ところで、見張りは誰がするんだ?」


「俺が見張っておくよ。

この中で一番、なれているしな……」


というわけで、俺が見張り役で他のみんなで薬草を探すことに。


草原をみんなでゆっくり歩きながら、下の草を見ていく。

時折、鑑定スキルを使って調べ、目的の『ポルマリン草』だったら根っこまでを丁寧に採取し、アイテムボックスの中へ。

これを繰り返していく。


その間、俺は、みんなの一番後ろから気配察知のスキルで、周りを警戒。

動物や魔物が近づいてくると知らせる役目だが、幸い一時間こうして歩いているがまだ魔物にも、動物にも遭遇していない。


こういう草原では、薬草とかの群生地は見つけられないが、初心者を安全に採取させるにはもってこいの場所だな……。




今日は、ここまで。

次回は、何か登場するといいな……。








第41話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

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