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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
冒険者への依頼

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第36話 冒険者ギルドの朝の姿




とりあえず、日向さんたちの訓練は終了。

ウィリアムさんの処遇に関しては、冒険者ギルドに任せればいいだろう。

おそらく、口頭での注意で終わると思う。


それと、明日は、俺と悠太が訓練を受ける番だ。

受付のシャーリーさんに、明日の訓練の予約を入れておき、日向さんたちには、明日の依頼をお願いしておく。


依頼は町中で受けれるものに限定してもらい、討伐依頼などは、俺と悠太の訓練が終わってから行くことにした。


何れは、俺たちもダンジョンに潜るときが来るのだろう……。

この『ナブトの町』の周りには、『オークのダンジョン』以外にも『初級ダンジョン』が存在するしな……。


「それじゃあ、今日はもう宿で休むの?」


冒険者ギルドを出ると、竹原さんが幼馴染の日向さんに聞いてくる。

確かに、時刻はまだ午後5時。

日もだいぶ傾いてきたが、まだ明るい時間だ。


「でも、すぐに日が傾いて、夜になるよ?」

「ん~、必要な買い物も済ませてあるし、今日はおとなしく宿に帰ろうか」

「そうね、私はお腹空いてきたし……」


竹原さんの質問に答える日向さん。

そこへ、市原さんと新城さんも加わり、宿へ行くことでまとまった。


……ええ、俺と悠太に発言権はありません。

そのまま宿へ行き、今日はここまでだ。


宿で、夕食、お風呂、就寝となる。




▽    ▽




異世界で迎える、冬休み6日目。


今日は、日向さんたち女性陣は、依頼掲示板から依頼を選び、それをこなしてもらう。そして、俺たちは、冒険者ギルド地下で選んだスキルの習得訓練を行う予定だ。


もっとも、俺は自分のスキルは使えるから、主に訓練は悠太のためということになる。


宿を後にし、俺たちは冒険者ギルドを目指す。

まだ、朝8時だというのに、すでにこの町は動き出していた。


「こうして、冒険者ギルドへ行くだけの道を通るだけでも、人々が生活しているって実感できるな……」

「そうね~、いろんな人が歩いているし、あの人はどこへ行くのか考えるだけでも、この町が生きているって思えるわね~」


市原さんと竹原さんが、何か観賞しているようだ。

日向さんと新城さんに悠太までも、二人にあてられたのか周りを見ている。


俺も、ギルドへの道を歩きながら、周りを観察。



「あの子供の着ている服って、制服かな?

さっき、同じような服を着た子供がいたけど……」

「西園寺君、この町って学校があるの?」


市原さんが発見した、子供の着ている制服。

日向さんが、市原さんのその質問を聞いて俺に質問してきた。


「この町にはないよ。

でも、この町から西へ少し行ったところに学園を中心にした街があるんだよ。

『トリープ魔法学園』が造った町がね」



『トリープ魔法学園』は、この国が中心となって設立した魔法学園だ。

最大9年、この学園で学ぶことができる。

寮が完備されていて、遠方から来た生徒はそこに入って学ぶそうだ。


入学金や学費は国が払うので免除されているが、寄付は受け付けている。

また、この学園の卒業生の中には、今の国王や王妃もいるとか。


貴族や平民という身分で差別されることなく、誰でも学園で学べるそうだが、実際は身分を使ってやりたい放題な生徒がいるとか。

そのため、学園も苦肉の策として、最近は身分ごとに教室を分けているそうだ。


誰でも学べるという志は、今では無いに等しい。



「……この町から通っている生徒がいるということは、全寮制じゃないのか……」

「魔法学園は、身分で教室を分けているそうだから、全寮制にすると大変なじゃないの?」

「え、身分問わずじゃないの?

異世界モノの小説とかだと、身分問わずな学園モノが多いけど……」


「リコちゃん、現実は違うんだよ、現実はね……」


市原さん、何か悟ったように新城さんをなぐさめてる……。

でも、現実はそうだよな。

学園の中では、身分を無くしたところで、卒業すれば身分社会が立ちはだかるんだよな……。


そんな話をしていると、すぐに俺たちは冒険者ギルドに到着した。




▽    ▽




冒険者ギルドは、朝も早いということでたくさんの冒険者で溢れていた。

朝早くギルドに行き、依頼掲示板から割のいい依頼を受けようということだろう。


俺たちは、依頼掲示板から離れたところで様子を見ているわけだが、どうやら一番混んでいるのは、C級冒険者とD級冒険者のようだ。


一番数が多く、ベテランのような老けたおじさんから、若い青年までいる。

それに種族も、多種多様のようだ。


「俺、あそこに入って掲示板から依頼をはがすことなんてできないぞ?」

「……私も、無理かな~」


悠太と新城さんが、依頼掲示板前の混雑を見ながら弱音を吐いた。

でも、俺もあれに混ざるのは無理だ……。


そこで、訓練に来たことを報告にと思ったが、受付も掲示板と変わらない混雑ぶりだ。

受付嬢の中に、昨日と同じシャーリーさんを見つけた。


「受付も、今は無理だな……」


俺のボヤキに、日向さんと竹原さんが受付を見て…。


「こっちも、長蛇の列ね……」

「朝の冒険者ギルドって、やっぱり混雑しているのね……」


竹原さんは、異世界モノの小説の通りだと嬉しそうだった。




今日は、ここまで。

次回は、悠太の特訓話かな。







第36話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

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