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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
冒険者への依頼

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28/120

第28話 掲示板の前で




「これって、本当に魔法が使えるようになるんです?」


俺たちが、自分たちのスキルを選ぶ部屋の隅で、竹原さんと市原さんを待っていると、他にスキルを選んでいる人がいた。

男性二人組みたいだが、ワークさんに一生懸命質問している。


魔法の使い方やその種類、やっぱりというか悠太と同じくチートスキルについても聞いていた。

その間に、竹原さんと市原さんのスキルは、日向さんと新城さんとの相談で決まったみたいだ。


そして、ギルドカードに選んだスキルを入力し、表示させる。

これで、転移魔法陣を通れば、転移先の異世界でスキルが使えるようになる。


みんなで、ギルドカードを持ち部屋を移動しようとすると、声がかかった。

さっきまで、ワークさんに質問していた男性二人だ。


「ちょっと聞きたいんだが、君らは同じパーティーなの?」


男性の一人が、日向さんに質問してきた。


「はい、私たち六人でパーティーを組むつもりですけど」

「じゃあさ、パーティーの最大人数って分かる?」


その質問に、日向さんは俺を見てきた。

どうやら、分からなかったようだ。


「パーティーの最大人数は、12人ですよ。

冒険者ギルドの受付で、要請するとギルドカードに記載されてパーティーを組むことができます」

「そうか、ギルドの受付で要請しないといけないのか……」


質問していないもう1人の男性が、考え込んだ。

……ワークさんに聞かなかったのかな?


そう思い、男性二人の後ろを見ると、ワークさんは新たにこの部屋に入ってきた男女の相手をしていた。

その二人も、ワークさんを質問攻めにしているな……。


「あ、そうだ、これは習得しておくべきスキルってあるか?

ワークさんに聞いても、好きに選べばいいとしか言ってくれなくてな……」

「それなら、『精神耐性』のスキルは必須だと思いますよ」


「『精神耐性』のスキルか?」

「向こうの異世界では、冒険者の依頼の中に『盗賊退治』や『人型の魔物の討伐』などがあります。

日本で人を殺した経験のない人は、精神耐性スキルが無いと大変な目に合うそうです」


俺の話を聞いた男性二人は、自分のギルドカードを見て再び、スキル選びに戻っていった。どうやら、選んでいなかったようだ。



「あ、そうだ。

この『精神耐性』スキルの話、掲示板に書いていいかな?」

「ええ、どうぞ。少しでも、向こうで被害が無くなるなら……」

「被害?」


そう、被害だ。

実は俺は夏休みに、ここの冒険者ギルドに行くにあたって、ネットを調べてみた。

すると、冒険者になって異世界に行き、精神をやられたという日記が見つかったのだ。


日にちは、俺が高2になったばかりの頃だから、冒険者になる前だな。


閲覧数も少なく、大勢の人が読んでいるとは思えないブログだったが、そこには、冒険者ギルドの依頼で、隣村まで行商人を自分が所属しているパーティーで護衛したが、途中盗賊と死闘をして人を殺してしまった。とあった。


その後は、心を病んでしまい復活まで何日もかかったとある。

パーティー仲間の励ましやいっしょに泣いてくれたこと。

中には、体を使って励ましてくれたことのさわりだけ書かれていた。


正直、羨ましかったりするが、心の病の克服に苦労する様子は痛々しかった。

そして、ようやく克服し『精神耐性』を手に入れても後遺症に苦労したそうだ。


そんなブログを読んで、『精神耐性』スキル必須だなと確信してしまった。


その話を男性二人にすると、さっそくネットを調べて掲示板に上げるそうだ。

……これで、心を病む人が少なくなるといいのだが……。




▽    ▽




スキル部屋で男性たちと別れ、俺たちは転送陣のある部屋へ行き、異世界へ転送してもらった。

その後、竹原さんと市原さんも日向さんと新城さんと同じく、ドロシーさんの尻尾をモフりご満悦。


その後、武器防具部屋へ移動し、装備と獲物を手に入れ軍資金を受け取り、異世界の冒険者ギルドへ。


異世界の冒険者や受付嬢に驚きながらも、冒険者ギルドを出ていったん宿屋へ。

宿を決めてから、身の回りの物の買い物をして、それから冒険者ギルドで依頼を物色する。



依頼書の貼られた掲示板の前で、俺たちはじっくり依頼書を眺めながら、受けれるものを選んでいた。


もちろん、今の俺たちの姿は、宿の泊まる部屋で着替え装備した防具を着た姿、どこからどう見ても冒険者だ。


「なあ、この依頼書はどうかな?」


悠太が選ぶ俺たちにできそうな依頼……。

それは『ギルド公認の奴隷商の清掃依頼』だった。


「遠藤、お前、何考えてんだ?」

「遠藤君セクハラ……」


竹原さんと日向さんが、遠藤に文句を言い、新城さんと市原さんが他人のふりして貼られている依頼書を見ている。

悠太、こいつ本当に奴隷購入を考えているようだな……。


俺は、へこんでいる悠太の側に行き、小声で話しかけた。


「今から、価格の偵察か?」

「どれだけ貯めればいいか、分からないからな。

それに、購入予定の奴隷を今から選んでおこうかとな……」

「それなら、今はキープして、みんなでできる依頼を選んで機嫌をとれ悠太」


頷き、再び依頼書を物色する悠太。

その様子に、諦めたと思い再びみんなで依頼書を見ていく。


さて、俺たちパーティーにできる依頼は……。




今日は、ここまで。

次回は、依頼先で……。







第28話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

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