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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
お試しの冒険者ギルド

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第26話 次の予定と新しい仲間




掲示板を見ていると、後ろから声をかけられる。


「お待たせ、西園寺君、遠藤君」

「お待たせ~」


日向さんと新城さんが、更衣室からやっと出てきた。

だが、悠太はまだ掲示板を見て考え込んでいた。

それを、不思議そうな顔で見て、俺にどうしたの?と聞いてくる。


「探し人の貼り紙があるんだよ、それ見て考え込んでいる」

「探し人?」


「向こうの町の外には、向こうの異世界の世界が広がっているんだ。

その広さは、地球より大きいかもしれないぐらいの世界がね?


その世界に飛び出していった、地球から行っている人たちがいるんだが、その中で、連絡がつかなくてここに探し人として貼られることがあるらしいんだよ」


そう言って俺は、その貼り紙を指さし日向さんと新城さんに見せる。

すると、二人も悠太と同じように考えだした……。


多分、探すことができないかとか、どうやって見つけるのかとか、考えているのか?

……今の俺たちでは、どうやっても見つけることはできないって。


あのナブトの町を出たことないんだから……。


俺は、考え悩む三人の肩を叩いて、正気に戻す。


「考えても無駄だよ、今の俺たちには、出来ることはないんだから。

それに、ここの掲示板に貼り紙が出たら、向こうの冒険者ギルドにも連絡がいっているからギルド単位で探してくれるよ」


「……大丈夫だよね?」

「こういう行方不明って、心配なんだよね……」

「康太、本当に俺たちにできることないのか?」


……こいつら優しいな~。

でも、本当に俺たちにできることはないんだよね。


「とにかく、今の俺たちにできることはないよ。

あるとすれば、無事見つかることを祈るだけだな……」

「康太……」


悠太、今の俺たちは弱い。それに、新人冒険者だ。

この俺たちに何ができるんだ?


東京で、エベレスト山の行方不明者を心配するようなものだ。

不謹慎かもしれないが、俺たちにできることなど無事見つかるように祈ることぐらい。

その状況と同じだろ?



俺は三人をなだめながら、冒険者ギルド駅前支店を後にした。

最後の最後で、心残りを作っちゃったな……。




▽    ▽




次の日の冬休み三日目。

今日は、クリスマスイブだ。

でも、恋人もいない俺は、デートするわけでもなく自分の部屋で勉強をしていた。


冬休みといえど、勉強はしておかないと来年は受験だからな~。

まあ俺は、自分の学力に見合った大学を選ぶつもりだ。

無理して上の大学は目指さない。


俺は冒険者だ、もっと向こうの世界で頑張りたいんだよな。


その時、俺の携帯に悠太から電話がかかってくる。

すぐに出て話をすると、異世界へ行こうぜというお誘い。


しかも、今度は二泊三日ほど行かないか、と。

さらに、俺のところにかける前に日向さんと新城さんにかけて、二泊三日の了承も得たとか……。


マジか?女子高生の外泊に、オッケーを出す両親に驚きだな。

俺の価値観が古いのか、日向さんと新城さんの両親が先進的なのか……。


とりあえず、クリスマス明けで三日間を約束する。

クリスマスまでに、大掃除とか済ませておくかな……。




▽    ▽




クリスマス明けの冬休み5日目。

今日は、再び異世界へ行くことになる。

旅行気分で行く俺だが、着替えを済ませて玄関に行き靴を履いていると日向さんからメールが届く。


『友達の琴ちゃんと葵ちゃんが、ついてくることになりました。

璃子と遠藤君にも知らせてあります。詳細は、合流してから話します』


……これから出発って時に、追加とは……。


でもこれ、無理やり心配になってついてきたってところだろうな……。

竹原さんも市川さんも日向さんの友達みたいだし……。



竹原葵、16歳。俺たちのクラスメイトで、日向さんの幼馴染。

小学校の頃から一緒で、家もご近所なのだとか。

体育会系で、女子バスケ部のレギュラーらしい。


髪形は運動に邪魔だとかで、ショートにしている。

背が高く175センチと俺や悠太よりも高い。



市原琴音、17歳。市原さんも俺たちと同じクラスメイトで、竹原さんと同じ女子バスケ部のレギュラー。

クラスの女子全員と、満遍なく付き合いがある。


髪形は短いポニーテール。背は低いがパス回しに定評があり、レギュラーを勝ちとっている。前に出るタイプではなく、どちらかというと縁の下の力持ちだな。



この二人も、冒険者になるのか?

どうなるか分からないが……でも確か、市原さんって悠太に告られてなかったっけ?


「……波乱の予感だ……」


俺は、ニヤける口を手で押さえながら家を出た。

おかげで、家族からは不思議そうな顔で見送られたが問題ないだろう。




▽    ▽




午前10時ごろ、駅前の待ち合わせ場所に行くと日向さんと新城さんがすでに来ていた。


「お待たせ、日向さん新城さん」

「おはよう、西園寺君」

「おはよう~」


俺はさっそく日向さんに、今朝のメールのことを聞くと竹原さんと市原さんが来てから話すから待ってほしいとのこと。

それなら、待つかと思っていると、悠太が到着。


俺はさっそく悠太に近づき、合流する竹原さんと市原さんのことを聞くと、何ごともなかったかのように只々驚いているだけだった。


あれ?告った話はデマだったのか?

そんなことを思っていると、竹原さんと市原さんが合流する。


「西園寺君、遠藤君、急で悪いけど私たちも合流させてもらいました」

「……よろしく」


おや?市原さんの顔が若干赤いような……?

とにかく、この六人で二泊三日の異世界体験へ向かうことに。




今日は、ここまで。

次回は、六人で本格的に動くか?







第26話を読んでくれてありがとう。

ここで、第一章終了です。

一日あけて、再び更新していきますので、よろしくお願いします。

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