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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
お試しの冒険者ギルド

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第24話 報酬受け取りと山分け




商業ギルドの二階の一番奥にある部屋、そこがギルドマスターが仕事をしている部屋だ。

今回の依頼の倉庫整理で、木箱から獣人の女性と女の子二人が見つかった。


おそらく、何か重大なことが起きていたのだろうと思う。

そのことで、ギルドマスターの部屋に呼ばれたのは仕方のない事なのだろう。


俺たち四人は、ギルドマスターの部屋の前で、深呼吸をする。

そして、ドアをノックした……。


―――コンコン。

「依頼の倉庫整理が終わりましたので、こちらに来ました」

『待っていたぞ!入れ!』


俺たちは、お互い顔を見合わせてからドアを開け、中へ入る。



ギルドマスターの部屋は、シンプルで地球の政治家の部屋にあるような大きな机と椅子。

さらに、天井まである本棚が一つと応接セットが一式。

それだけだった。


そこにギルドマスターの他に、俺たちの依頼の担当者のマークさん。

マークさんが連れてきた女性職員のキンバリーさんの二人が応接セットのソファに座っている。


「とりあえず、座ってくれ」

「あ、はい」


ギルドマスターの勧めで、俺たち四人は応接セットのソファにおとなしく座った。

でも、心の中はドキドキしている。

……ほんと、こういうシチュエーションは緊張する。


それにしても、あの獣人の女性や女の子たちがいないのは、治療中だからかな?


「まずは、倉庫整理、ご苦労だったな。

さっき見た第六倉庫の中は、見違えるほど整理整頓ができていた。

報酬は少し色を付けるように言っておいたから、冒険者ギルドで受け取ってくれ」


「ありがとうございます」


「それでだ、今回倉庫で見た獣人に関しては、忘れてくれ、といっても忘れることはできないだろう。

だから、あの獣人たちに関しては、我々に任せてくれ」


ギルドマスターが、俺たちにお願いすると、マークさんもキンバリーさんも同じように頭を下げて無言でお願いしている。


俺たちは、少し考えてそれを了承する。

俺としては、面倒ごとになりそうな今回の事は、もともと商業ギルドにお任せするつもりだった。


ギルドマスターたちは、俺たちが了承したことで、安堵した様子だ。


「あ、あの、彼女たちはどんな様子ですか?」


日向さんは、気になっていたことを聞く。

どうやら、ずっと気になっていたようで、心配そうな顔で聞いていた。


「彼女たちは、だいぶ衰弱していて今、治療中なんだよ。

ただ、命に別状はないようだから、安心していいよ」


マークさんが、諭すように日向さんに現状を答えた。



「……それじゃあ、俺たちは帰ります。

これ以上聞くことはないですし、時間も時間なので……」


俺は、部屋のギルドマスターの机の上にある時計を見ておもむろに立ち上がった。

俺に遅れて、悠太や日向さん、新城さんが立ちあがり部屋のドアへ向かう。


「君たち、もし彼女たちについて知りたかったら、しばらくたってから訪ねてくるといい。ここにいるキンバリーが受付にいると思うから、彼女に聞くといいだろう」


「はい、ありがとうございます」


俺たちは頭を下げて、ギルドマスターの部屋を出て行った。

部屋を出て、扉を閉めると、全員が息を吐く。


「……き、緊張した……」


悠太は、肩の力を抜きかいてもいない汗をぬぐう仕草をする。


「西園寺君、詳しく聞かなくてよかったの?

私、気になるんだけど……」

「うんうん」


日向さんと新城さんは、心配と興味で知りたがっているようだ。


「日向さん、今は治療中だって言われたろ?

多分、ギルドマスターたちも詳しくは分かってないよ。

だから、治療が終わって詳しい話を聞くまで、出来ることはないさ。


今は、待つことだ。

俺たちにできることがあるかどうかは、それから考えようぜ」


「だよな」

「それに、今俺たちがすることは、冒険者ギルドで依頼達成の報告。

そして報酬をもらって山分け。

その後は、日本に帰らないとな」


そう言うと、日向さんと新城さんは、自分たちがどこにいるのか思い出したようだ。

ここは異世界、今日俺たちは地球に帰らないとね。


俺たちは、商業ギルドの廊下を歩きながら、今後のことを話し合った。




▽    ▽




商業ギルドから、冒険者ギルドへ帰ってくると、すぐに受付のキャロルさんの所へ報告に行く。

依頼カードに商業ギルドの判を確認して提出。


それを確認して、ギルドカードに貢献度を加算し俺たちに、報酬とともに返してくれる。


「コウタ君の仲間にとっては初依頼なのよね?

初依頼達成、おめでとう!

こちら、報酬となります。ご確認ください」


笑顔で、悠太や日向さんに新城さんに向かってお祝いを言ってくれたキャロルさん。

ほんと、エルフの笑顔って眩しいよな~。


悠太は勿論のこと、日向さんも新城さんも顔を赤くしていた。

俺は報酬を確認すると、ギルドマスターの言っていたとおり、銀貨十五枚に色がついて銀貨十六枚支払われていた。


これなら、1人銀貨四枚で山分けだな。



報酬を山分けにして、みんなに配りそのまま地球の日本へ帰るため、受付から右側の端にある扉へ向かう。


「西園寺君、こんな所に帰る扉があるんだね?」

「ああ、ほら、あそこにあるのが最初に通ってきた扉だ。

あの先は両替部屋に繋がっている」


両替部屋では、こっちのお金を日本円に両替もできるが、それを利用するには『無限鞄』が必須となる。

が、俺たちは持っていない……。


『無限鞄』高いんだよね、小サイズでも金貨10枚はするんだぜ?

こっちで冒険者で稼いで、日本円に両替して日本で使うためには、もっともっとこっちで稼がないとな……。




今日は、ここまで。

次回は、日本に帰ってからのお話かな?







第24話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

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