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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
お試しの冒険者ギルド

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第19話 冒険者ギルドの依頼掲示板




次の日、俺たちは宿を引き払うと、冒険者ギルドへ向かった。

朝8時という時間にもかかわらず、食べ物を扱う店や屋台は営業をしている。


特に、屋台の料理がいい匂いをしていた。


「大きな通りに出ると、いい匂いがお腹にくるね~」

「宿で朝食、食べたんだけどね……」


「康太、何か食べるか?」

「そうだな……、アレなんか良いんじゃないか?」


そう言って俺が指さした先にある屋台、それは『ホットサンド』を売っている屋台だ。

見ている今も、客の注文に対して、パンを焼いている。

何を挟んだかは、分からなかったが……。


「ホットサンドか、いいかも」

「そうね、あれなら中の具は、こちらで決めれるし……」

「俺は、半熟卵を挟むのが好きなんだよな~」


どうやら、みんな賛成のようだ。

俺たちは、このまま『ホットサンド』を売る屋台へと足を運んだ。




▽    ▽




「いらっしゃいませ!」


朝から大きな声で、挨拶してくれたのは女性だった。

この屋台は、女性が営業していたようだ。


まだ若く、名前はカレンさん、19歳だそうだ。

うす水色の長い髪をポニーテールにして、明るく迎えてくれる。


屋台の台にいろんな具材が並んでいて、客が選べるようになっている。

そして、パンは黒パンではなく白パンだ。

屋台で提供されるパンは、黒パンがほとんどだ。


これは、屋台で出せる価格の問題で、白パンと黒パンでは値段が一回り違い、白パンを屋台で出そうとすると利益が出なくなるのだ。


それを、この屋台では白パンを提供している。

何か、秘密でもあるのかな?


「これは、内緒ですよ?

実は私の実家はパン屋をしていて、祖父が農家をしています。

家族ぐるみで、パンの材料などを商業ギルドを通さなくても提供できるので、屋台で白パンを扱えるほど、値段お押さえられるんですよ」


「なるほどねぇ~」

「そんなやり方があるんだ……」


日向さんと新城さんは、感心しっぱなしだ。

悠太は、あまり興味なさそうに、パンの中に入れる具材を選んでいた。


まったく……。

結局、ホットサンドの中身は、悠太が『半熟卵とハム』を選択。

日向さんと新城さんは『ハムとチーズ』を選択。

で、俺は、『スクランブルエッグとチーズ』を選択した。


どれも、初めから用意されていた具材だし、後はパンに挟んで押し焼くだけ。

ものの10分ほどで、全員分が完成である。


「はい、全部で銅貨80枚になります……まいどあり!」


お金を俺がまとめて払うと、パンをかじりながら、再び歩き出す。

……どうも、屋台とか俺がみんなの分を払っているような……。



さらに、パンを食べ終わると、側にあった屋台でドリンクを購入。

これまた俺が支払いを済ませる。


そして、冒険者ギルドに着く頃には、体調万全で建物内へ入っていった。




▽    ▽




冒険者ギルドの中は、相変わらず人の数が多い。

でも、俺たちはそんなこと気にせずに、依頼掲示板の前へ行くと貼ってある依頼書を選び始めた。


「まずは、今の俺たちにできる依頼は、この端の所にある依頼だけだ」

「右側の依頼書は、受けれないのか?」


悠太が、依頼掲示板の右側を指さしながら聞いてくる。


「ああ、あっちは高ランク冒険者用になっている。

俺たちのような新人は、左側の依頼書が今はせいぜいだな」

「そうか……でも、確かに左側の依頼書って、討伐依頼がほとんどだな」


高ランク冒険者への討伐依頼のほとんどは、この町から離れた場所のものだ。

近場でも、この町から二日から三日離れたもの。


中には、別の町で出された依頼が、この町に送られてきた、というものまである。

高ランクの討伐依頼は、広く受けてくれるものを募集しているのだろう。



「それにしても、ゲームや小説、漫画なんかで定番の依頼が多いな」

「そうね、薬草採取、町中での依頼、届け物、店の手伝い……」

「もうバイト感覚ね」


確かに、店の手伝いや届け物、この町で完結する依頼はバイトと同じだ。

でもこれは、この世界では仕事の世襲がほとんどだからだろう。


親と同じ仕事につく子供。

農家の次男三男は、冒険者かどこかの商会で働かせてもらうとか。

勉強も、その商会や冒険者ギルドで初めて習うそうだ。


貴族や王族から、世襲制となっているのだから、下々の庶民が世襲でないはずがないのだ。

それに、この世界に派遣会社はない。

つくらないだけかもしれないが、まずもって信用がないからな。


信用が無ければ、誰も使ってくれない。

で、需要がなく、仕事の斡旋はコネがほとんどというわけだ。



「で、どれにする?」

「俺はこの、『リトル・ボア』の討伐依頼を受けてみたいんだけど?」


悠太が選んだのは、リトル・ボアという猪に似た野生の動物の討伐だ。

リトル・ボアの肉は、柔らかくて人気があり、数も多く弱いため新人の依頼として貼られている。


しかし、実はこれには罠がある。

リトル・ボアには、必ずヒュージー・ボアという親がくっついている。

ヒュージー・ボアの討伐ランクは、ベテラン。


新人冒険者には受けることができないので、自ずとリトル・ボア討伐はパーティー用となっているのだ。


「悠太、その依頼所はパーティー用だよ。

しかもベテラン冒険者が仲間にいないと、受けれない」

「……ほんとだ、依頼書の下に注意書きが……」


悠太は、その注意書きを読んで、渋々依頼書を掲示板に戻した。

そんな悠太に、同情しつつ、俺も依頼書を見ていく……。





今日は、ここまで。

次回は、依頼を受けて報酬を……。







第19話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

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