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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
お試しの冒険者ギルド

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第15話 町を散策するとお腹が空く




「いらっしゃいませ、宿屋『吉宗亭』へようこそ!」


受付カウンターに現れた女性が、ロビーで宿の中を見渡している俺たちを見て声をかけてきた。

声をかけた女性は、ショートの髪で眼鏡をかけた人族の女性だ。


俺たちは、カウンターに近づき女性に一日の泊りをお願いする。


「一泊のお泊りですね?ありがとうございます。

一泊ですと、おひとり様銀貨5枚となりますので、全員で銀貨20枚です。


部屋はどうしましょうか?二人部屋を二部屋か、四人部屋のどちらがよろしいですか?」


俺たちは、お互いに顔を見合わせると、それぞれでお金を出し合い支払う。

そして、二人部屋を二部屋お願いする。


「分かりました。

はい、銀貨20枚ちょうどお預かりいたします。

では、こちらの宿帳に記載をお願いします」


そう言って、宿帳を俺たちの目の前に出してくる。

俺たちは、それぞれ名前を記載し女性に渡すと、俺と日向さんに部屋の鍵を渡してくれた。


「こちらが206号室の鍵です。

部屋は、彼方の階段を上がって左に進みますと分かると思います。


それと、こちらが210号室の鍵になります。

お部屋は、彼方の階段を上がって右へ行かれたところにあります。


どちらもすぐにわかると思いますので、ごゆっくりどうぞ」


地球のホテルだと、荷物を持っていってくれる人や案内をしてくれる人がいるけど、この世界の宿では、そんな人はいないんだよな。

それに、俺たち『アイテムボックス』あるから、荷物ないしね。


「あの、お風呂に入る場合はどうすればいいのですか?」


新城さんが、受付の女性に質問すると、すぐに答えてくれる。


「お風呂に入る場合は、この受付にお知らせください。

すぐにご用意しますので。

その間、ロビーのソファでお待ちいただくことになりますが、すぐにご用意できると思います」

「分かりました」


笑顔で応対してくれる、受付の女性。

こういうところは、地球のホテルや旅館と同じなんだよね。


俺は、ロビーにある時計で時間を確認し、2時10分だと知る。


この時間から、冒険者ギルドの依頼を受けても、中途半端な仕事しかできないから、やっぱり、今日は町の散策に出かけようと思う。




▽    ▽




受付に、鍵を預けて俺たちは宿を出てきた。


「さて、まずはどこに行く?」

「そうだな……」


悠太が、冒険者ギルドの受付でもらったこの町の地図を広げて、どこに行こうか迷っている。

受付のメリッサさんに、行ってはいけない場所に赤い線を引いてもらっているので、それを守ってこの町を散策するつもりだ。


「私は、屋台とか市場が見てみたいな」

「私は、この世界ならではのお店に行ってみたい」


日向さんと新城さんは、この世界を楽しみたいようだな。

この町の食事情は、日本との小さいながらの交易で改善され、レシピも公開されている。


だから、この異世界でのファーストフードに出会えるかもしれない。

または、この異世界ならでは名食材に出会えるかも……。


「俺は、日常生活で使う店とか見てみたいな!」

「日常生活で、か?」

「そうそう、例えば美容院とか床屋とか、服屋に家具屋か」


なるほど、異世界とはいえ人の暮らしがあるんだから、日常生活にそった商売の店があってしかるべきだな。


「それなら、まずは中央広場に行ってみるか。

この『ナブト』の町は、そこが中心となっているからな」


俺の提案に、みんなが頷いたので、歩いて出発。

歩きながら、いろんなお店を見てまわる予定だ……。




▽    ▽




宿を出てから大通りに戻り、冒険者ギルドとは逆の左側へ向かって歩いて行く。

この方向に、まっすぐ行けば中央広場に出るはずだ。


少し歩くと、進行方向左側に大きな建物だ見えた。

そこは、馬車の出入りがあり、特に荷物を積んだ馬車が入っていくのが見える。


「左に見えるあの建物が、『商業ギルド』だ。

正面玄関は、ここから少し行ったところにある。この場所は馬車に積まれた搬入予定の荷物を受け取る場所なんだよ」


「じゃあ、ここで荷物の受け渡しをしているの?」

「ここでやっているのは、馬車のみだよ。

だから大きな荷物が中心なんだ。小さいものは、手渡しでもできるから正面玄関近くに搬入口がある」


へぇ~、まるで郵便局だな。と悠太の感想を聞いて、まさにその通りだなと俺も日向さんたちも納得だ。

少し眺めた後、再び歩き出した俺たちが次に見つけたのがパン屋だ。


「ん~~、いい匂い……」


進行方向の右手に、そのいい匂いを出しているパン屋があった。

外観は、町のパン屋という地域密着型の小さなパン屋だ。


だが、漂ってきている焼き立てのパンの匂いは、食欲を掻き立てる!


「美味しそう……」

「クン、クン……この匂いは、もしかして『カレーパン』か?!」

「……クンクン、確かに『カレーパン』の匂いだね……」


その時、誰かのお腹が、クゥ~と鳴ったんだ。

日向さんが、赤い顔をしていたので、日向さんのお腹の音か……。

ここは、聞かなかったことにして、話を進めよう。


「地球で食べれるパンのレシピは、公表されてるから作ったんだろうね……。

みんなで、1つずつ買おうか?」

「「「賛成~」」」



パン屋に入り、一人一つずつ『カレーパン』を購入。

一つ銀貨一枚と高かったが、空腹には勝てなかった……。


でも、すごく美味しかったよ。

サックサクの衣に、中のカレーが美味い!

日本で売られているパンより、こっちのパンの方が美味しい気がする。


俺たちは、カレーパンをかじりながら、中央広場を目指して、町を散策していった。




今日はここまで。

……なんだか、お腹空いたな。







第15話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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