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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
お試しの冒険者ギルド

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第14話 まずは宿屋へ




メリッサさんの受付に行くと、すぐに応対してくれたのだが、ギルド内は結構な人数がいたが、大丈夫なのかと周りを見ると、受付周りは人が少なかった。


どういうことかと、メリッサさんに聞いてみると。


「今の時間は、お昼でしょ?

受付を利用する人が、一番いない時間でもあるからね」


といって、俺たちの後ろにある大きな時計を指さした。

確かに、今は12時32分。お昼時だな。


「なぁ康太?何故この異世界に、地球のブランドの時計があるんだ?」

「悠太、俺の話、聞いてなかったのか?

このナブトの町は、冒険者ギルドを通じて地球と交易しているんだよ。

ただ、その規模は小さいから、そんなに大きく影響はないけどな」


そう、この異世界のナブトだけが、冒険者ギルドを通じて地球と交易をしている。

正確には、日本との交易だが、その規模は小さい。


冒険者ギルドの出入り口の上に飾られている大きな時計は、日本から持ち込まれたものだが、ギルド職員の交代などに役に立っていた。


また、町中にも恩恵はある。

特に食文化については、大革命といえるような変化があり、このナブトの町は一躍食の町としても、王都から貴族が食べに来るほど有名になっていた。


ただ、トラブルも多いのは、しょうがないのだ。


この町で手に入る、地球の品物を大々的に取引したいとか、買い付けたいとか無理難題を言ってくる貴族や商人は後を絶たない。

残念ながら、地球の品物を取り寄せるには、限界があるのだ。


そのため、商売は出来ずに諦めなければならないのだが、諦めきれずに冒険者ギルドを脅したり、盗みに入ったりすることもある。


また、地球からの冒険者が狙われることもあり、ナブトの町は治安をよくするために頑張っていた。



「みんなも、地球の冒険者なんだから、気をつけてね?

もし何かあったら、ギルドに早めに相談してね?」

「分かりました」


俺たちは、メリッサさんの忠告を聞き、気をつけるようにするだけだ。

それに、話を持ってこられても、学生の俺たちには、どうすることもできない。


「それじゃあ、これがナブトの町の地図よ。

今のあなたたちが行ってはいけない場所は、赤線で印をつけておいたから、必ず守ってね?」


そう注意を受けながら、地図を受け取り、俺たちはメリッサさんにお礼を言ってギルドを出て行く。




▽    ▽




冒険者ギルドの開け放たれている正面出入り口を出ると、ナブトの町中へ出る。

そこは、いろいろな人種が暮らしている大きな町だ。


ギルドを出て、すぐにあるのが大きな道。

四輪馬車が二台、余裕ですれ違える大きさの道が左右へ続いている。

地図を見て、町を見ると、どうやらこの冒険者ギルドは町の東側地区に属しているようで、左手に行くと東門があり、その先が町の外というわけだ。


「それじゃあ、あの遠くに見えている壁が、町の外壁で、左の突き当りにあるのが東門というわけか……」

「……それにしても、東門、大きいね~」

「確かに、東門の下にいる人たちと比べると、かなり大きいことが分かるわね……」


悠太たちは、外壁と東門の大きさに驚いている。

確かに、あの大きさの外壁や門となると、日本ではちょっと見る機会はないよな。

目算だが、外壁も東門も高さは6メートル以上だろう。


でも、周りの建物が低いというのもあるかもな。

この冒険者ギルドでもそうだが、三階建て以上の建物は、周りをざっと見ても存在していない。


「それで、俺たちはこれからどこへ行けばいいんだ?」

「ん、ああ、それなら、俺が夏休みの間利用していた宿屋があるから、まずはそこへ行こう」

「へぇ、西園寺君は、宿屋に泊まったことがあるんだ」


「そりゃあ、夏休みの八月は、まるまるこっちで過ごしていたからな~。

馴染みの宿屋にもなるって……」


そう俺たちは、会話を楽しみながら馴染みの宿屋へ向かって行った。




▽    ▽




冒険者ギルドを出て、右手に進み三番目の脇道を入り、その50メートル行った行き止まりに俺の馴染みの宿屋はある。

外観は、前来た時と変わらない二階建ての、比較的新しいものだ。


全体は石造りで、所々木を使っている。

小説や漫画なんかでは、食堂を併設している宿屋なんかがよく出てくるが、この宿屋は宿のみで営業しているのだ。


「ここは、冒険者ギルドのキャロルさんが薦めてくれた宿なんだよ。

初心者に優しい値段で、食事が美味しいから地球出身の冒険者に大人気なんだってよ」

「なるほど……地球出身の冒険者に人気があるなら、安心できるな!」


俺たちは、宿の玄関の扉を開け中に入ると、10畳ほどのロビーに出る。

そのロビーの端に、受付カウンターがあった。


内装は、地球のホテルとそう変わらない。

ロビーには、待ち合わせのためのソファも置いてあるし、右側には、食堂があった。

また、この宿には日本の冒険者が泊まるということで、浴場が造られている。


「なあ、あれって、お風呂か?」

「ああ、ここは日本人がよく泊まるからな。

まさに、地球の日本からくる冒険者のための宿屋ってわけだな」


お風呂の存在には、日向さんと新城さんが一番喜んでいる。

やっぱり、女性は綺麗好きが多いのだろうか?



「いらっしゃいませ、宿屋『吉宗亭』へようこそ!」


その時、俺たちのことに気付いた宿の人が、受付から声をかけてくれた。



今日は、ここまで。

次は、部屋割りかな?








第14話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

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