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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
お試しの冒険者ギルド

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第12話 冒険者ギルド ナブト支店




「それぞれ受け取ったね?

それじゃあ、この世界での価値を説明するよ」


リンダさんのこの世界での貨幣価値についての説明が始まった。

まず、この世界で使われている貨幣は、『銅貨』『銀貨』『金貨』が主に使われている。

そして、商人や貴族などが使用することがあるのが、『白銀貨』『白金貨』の二つ。


庶民には、滅多にお目にかかることがないため、覚えることはないけどある事だけは知っておくことだ。


それから、この世界で使われている貨幣価値を日本円に置き換えると…。

1銅貨=10円、となる。

銅貨が100枚で、銀貨になるから銀貨1枚の価値は、1000円だ。


そう計算していくと、金貨1枚は10万円。白銀貨1枚は1000万円。

そして、白金貨1枚が10億円となる。


……確かに、庶民で白銀貨や白金貨を使う者はいないよな。



「それじゃあ、俺たち11万円をもらったってことなのか?!」

「……ねぇ西園寺君、多すぎない?」

「何に、使おうかな~」


三者三様だな。

驚く悠太、怖くなる日向さん、使い道を考える新城さんと。


「支給されるのは最初だけだよ。

それに考えてもみろよ、宿代だけでも安いところは、銀貨三枚からだぞ?

物を買うにもお金がいる、依頼内容によっては道具がいるからな」


「そのための準備金、なるほど……」

「いろんな依頼が、ありそうだね~」


日向さんと新城さんは、納得してくれたようだ。

悠太は、何やら考えているようだな……。


「後、ギルドカードを見せてくれるかい?」


リンダさんが、会話を切ってお願いしてくる。

多分、ギルドカードに初心者支給『済』と記載するのだろう。

俺のギルドカードにも、記載されているしな。


悠太たち三人は、各々のギルドカードを提出すると、リンダさんが大きな判子でギルドカードの表に『済』をポンッと軽快に押す。

すると、ギルドカードに『済』の印が付いたかと思うと、すぐに消えて元のギルドカードの表に戻った。


「これはね、魔道具の済判子だよ。

冒険者ギルド専用の魔道具でね、初心者用の支給を行いましたという印を残すために押すんだよ」


そうじゃないと、ここに来るたびに支給しないといけないだろ?

そう笑いながら、悠太たちのギルドカードを返却してくれた。


悠太は、帰ってきたギルドカードをじっくり見ているが、判子の後はついていない。

日向さんと新城さんは、ちらりと見ただけでアイテムボックスにしまっている。


「さて、そろそろ行くぞ?

この扉を抜ければ、異世界の冒険者ギルドだ。覚悟はいいか?」

「おう、いつでも来い!」


「私たちもいいわよ」

「うん」


扉の取っ手に手をかける前に、俺は日向さんに注意しておく。


「日向さん、武器はアイテムボックスの中へしまって。

それと、町中での武器や魔法の使用は禁止されているから気をつけて」


日向さんは、俺の注意を聞き、持っていた刀をアイテムボックスの中へ仕舞う。

そして、悠太たちは町中での禁止にみんな頷き、扉を開けた。




扉を開けて、まず目に飛び込んできたのは、たくさんの冒険者と見られる人たちだ。

鎧を身につけ、マントをしている人や、ローブを着ている人もいる。


背も高い人から低い人まで、多種多様だ。

人種も違うが、見渡したところ一番多いのは人族だろう。

入ってきて、目の前に広がる壁が依頼書を貼り出す掲示板となっていて、たくさんの依頼書が貼りだしている。


「依頼書の数が、すごい……」


日向さんは、その数に圧倒されたようだ。

多種多様な依頼書が貼りだされた前に、何人かの冒険者がどれを受けようか眺めている姿があった。


いずれも、その仕草や恰好から、ベテランの冒険者に見えてしまう。

さらに、右手には待機場所とでもいうのかたくさんの机と椅子が並んでいる。

まるで、小説で出てくるギルド内の食事処だ。


そこにも、冒険者が何人もいて、食事をしたり、中には酒を飲んでいる冒険者もいる。

さらに、入ってきた扉の隣に、このギルドの受付カウンターがあった。


「康太、あれ、受付嬢にエルフの女性がいるぞ?」

「キャロルさんというエルフの女性だよ。

狙っている人が多いから、気をつけろよ?」


そう言って、よくそのカウンターの周りを注意して見ると、あちこちに男の冒険者が他の男の冒険者をけん制している姿があった。


「……それより、私たちが地球に帰るときは、この扉から帰るの?」

「いや、あっちの扉から帰るんだよ。

この扉から入っても、さっきの支給部屋へつながるだけだよ」


そう、地球へ帰るときは、入ってきた扉から左手にある扉に入ることになる。

左手の扉は、すぐに転移部屋へと繋がっていてそのまま帰れるのだ。


次にこっちへ来た時も、あの扉から出入りすることになる。



「それじゃあ、受付でこの町の地図をもらって宿を探すか。

全員、泊りは大丈夫なんだろ?」

「俺は大丈夫だ、冬休みもまだ初日だし、クリスマスまで時間空いているぞ」


悠太はそう自慢するが、クリスマスは家族で過ごせよ……。

ちなみに、俺はクリスマスは家族で過ごす予定だ。


「私は、泊りも予想していたからいいわよ。

でも、一日だけね。クリスマスは家族と過ごすし、勉強も大掃除もしないと……」

「私も同じ、クリスマスはともかく、勉強も大掃除もあるんだよね~」


全員一泊の外泊は許可が出ているようだ。

それなら、宿に部屋を取ってからこの『ナブト』の町を歩いてみるか。




今日は、ここまで。

次回は、観光……になるだろう。







第12話を読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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