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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
異世界で過ごす連休
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第115話 十階層ボス 後編




鉱石ダンジョン十階層にいた階層ボス、巨人ゴーレムは、仁王像の様な見た目で攻撃してくる。

しかも、その仁王の周りに群がっているのが、ゴーレムゴブリンだ。

その数は、倒しても倒しても出現してくるため、把握できない。


やはり、巨人ゴーレムの仁王を倒さなくてはならないようだ。


「悠太、神田さん、内村さん、巨人ゴーレムの攻撃に加わってくれ!」

「了、解!」


悠太は矢が無くなって、攻撃できなくなった弓を手放し、魔導銃を抜くと巨人ゴーレムの顔を狙って攻撃を開始する。


「どこを攻撃したらいいのよ!」

「膝を中心に頼む!」

「分かったわ!【ウィンドカッター】」


風魔法で巨人ゴーレムの膝を狙い始める神田さん。その威力はたいしたもので、すぐに巨人ゴーレムの膝に傷がつき始める。

ただ、この攻撃に痛がる感じがない巨人ゴーレム。


やはり、痛覚はないのか?


内村さんは、まだ矢があるのか弓による攻撃は続いている。

主に、神田さんが攻撃している巨人ゴーレムの右膝の反対側、左膝を狙っていた。


矢に魔力を纏わせて、威力を増して攻撃しているためか、ザクザクと左膝に矢が刺さる。



『グオオオォォ!!』


巨人ゴーレムのあげた雄叫びとともに、両ひざが砕け仰向けに倒れた。

すぐに、チャンスととらえた俺たちは、腕だけで起き上がろうともがいている巨人ゴーレムに総攻撃をかける。


「神田さん、内村さんは腕を狙ってくれ!

悠太は近づくゴーレムゴブリンを!

大輔と佐々木は、手が空いてるなら巨人ゴーレムに攻撃をしてくれ!」


巨人ゴーレムが倒れてから、ゴーレムゴブリンがいくつか砂になって崩れたのだ。

あれは、この巨人ゴーレムが作りだしていた証拠だろう。

ここで、総攻撃をかけ倒し切れば俺たちの勝ちだ!


「うおおぉぉ!」

「崩れろ!崩れろ!崩れろ!!」

「一撃必中!」


俺が叫び、神田さんが必死に風魔法で腕を、内村さんが狙いを定めて矢を放つ。

その間に、邪魔が入らないようにゴーレムゴブリンを、悠太が、大輔が、佐々木が倒してくれる。


「トドメだ!!」


大輔が、ゴーレムゴブリンの始末を終え巨人ゴーレムの頭に向かって、両手に持った剣を突き立てる。

すると、その一撃が致命的だったのか、巨人ゴーレム仁王はピタリと動きを止め、剣を突き立てたところから、砂に変わり崩れ始めた。


「……倒したぞ!!」

「よくやった!大輔!」

「ナイス!大輔!」

「さすがだな、大輔!」


俺たち男子たちは、喜び止めをさした大輔を称えていたが、女子二人は違った。

その場に崩れ落ち、肩で息をしている。


「……終わりました……」

「……疲れた」


神田さんと内村さんにとっては、この戦いは本当に贖罪のための命がけの戦いだったのかも……。

まあ、それは措いておいて、崩れた巨人ゴーレムやゴーレムゴブリンから出てきた魔石や鉱石を拾って次の階層へ降りなくてはな。



みんなで、少し休憩していると、悠太が興奮して叫んでいる。

あいつ、いつの間にあんなところに行ったんだ?


俺たちが巨人ゴーレムと戦った場所から、100メートルほど離れた場所で何かを発見したようだ。


「お~い!ここにすごいものが現れたぞ~!」


俺たちは、悠太のいる位置まで移動する。

しかし、この十階層の階層ボスの出た場所、広すぎないか?


戦闘の疲れか、神田さんと内村さんはゆっくりとしか歩けないようだ。

俺は、その歩調に合わせて悠太のいる場所に向かった。


「これって、宝箱だろ?!」

「しかも六個も出現するとは……」


先に到着した大輔と、佐々木が驚き興奮している。

それで分かったが、宝箱が人数分出現したってことなのか?

そんなことを考えながら、ようやくたどり着くと、どの宝箱を誰がという話になっていた。しかも、悠太と大輔と佐々木は早くも自分の宝箱を確保している。


「……それじゃあ、私はこれを……」

「私は、これで……」


少し呆れながら、神田さんと内村さんが決めて、残った宝箱が俺のとなった。

宝箱が決まると、一斉に開けてみる。



まず、大輔の宝箱には、七本のポーションが入っていた。

全部同じ、体力回復用のポーションだ。


「……ポーションか」


少し残念そうにしているが、そうそうすごいお宝は入っていないものだ。


次は佐々木の宝箱だが、二足のブーツが入っていた。

鑑定すると『岩斬ブーツ』と出た。

おそらく、その名前から岩をも斬ることができるほど硬いブーツ、ということなのだろうか?


蹴り技スキルを身につけるべきか?と悩んでいるようだ。


次は悠太の宝箱だが、中身は拳大の石ころが入っていた。

その数五十個。

ふざけるな!と叫びたい衝動を抑え、石を鑑定してみると『サファイヤ原石』と出た。


「……サファイヤ?」

「それって、サファイアじゃないの?」

「いや、鑑定でもサファイヤって出ている。もしかして、この世界の宝石なのかも……」


悠太の疑問に、神田さんが言い間違いを指摘したが、鑑定でそう出たらしい。

俺たちも鑑定をしてみると、確かに『サファイヤ』と出ている。

これは、この世界でも宝石なのだろう。


それに、まだ原石だ。どれぐらいの価値があるのかさっぱり分からない……。





今日は、ここまで。

次回は、残りの宝箱の中身についてかな……。








第115話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

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