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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
高校生の日々を 2

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第106話 意外な答え




誰も使っていないような空き教室で、レベル上げを脅迫される。

対価は、地球での安寧か?

高校三年生が、下級生の一年生に脅されるっていうのも……。


とりあえず、彼らのレベル上げの要求をどうするか。


断ってもいいけど、ここで断ると次に呼ぶ相手がいるみたいなんだよね。

その人が犠牲になるのも、後味悪いしな……。


いっその事、この要求を呑んで、彼らに現実を教えつつ矯正させるのもありかもしれないな……。

異世界におかしな幻想を抱かないように。

そして、他の人に迷惑をかけないように調教を……。


よし!


「分かった、君たちのレベル上げを手伝うよ……」


俺の承諾の返事を聞いて、りくっちがさらに深く笑みを浮かべて頷く。

俺を睨みつけていた三人は、舌打ちをしながら、早く返事しろよ、と悪態をつく。

サンちゃんは、当然という態度で女子高生二人と話をしている。


はぁ、こいつらのレベル上げをしながら、性根を叩きなおさないといけないのか……。

何か、貧乏くじ引いた気分だ……。




「それで、いつレベル上げをするんだ?」

「何を言っているんですか?先輩。

もうすぐ十連休でしょ?その前半を使ってお願いしますよ」


十連休って、こっちの予定は無視なのか……。


「十連休は、都合が悪いんだけど…「あぁ?!」」

「てぇめぇ、何言ってんだ?こっちが優先に決まってんだろうが!」

「こっちでの生活、めちゃくちゃにすんぞ?」


俺の肩に手を回し、俺の右頬を拳でグリグリする。

俺を睨んでいた三人が、今、俺を取り囲み脅しをかけている。

……たぶん、普通ならビビッて黙るところだよな。


でも、迫力ないよな。ゴブリンやオークに比べるのもどうかと思うが、魔物の迫力って、そうとうなものなんだと改めて思った。


「どうするの?先輩。あたしたちも暇じゃないんだよね~。

都合が悪いなら、あんたをボコって次の先輩を誘いに行かないと、ねぇ?」


こういう女子高生って、いるところにいるんだな。

自己中ってやつか?


「……分かった、十連休の前半でレベル上げを手伝うよ。

ただ、待ち合わせは異世界の冒険者ギルドの入り口の前にしてくれ」

「……まあいいでしょう。

俺たちのお願いを聞いてくれて、感謝しますよ~」


そう言うと、りくっちが立ち上がり、サンちゃんや女子高生二人が教室を出ていく。また、俺を取り囲んでいた、孝二と晃と真也は、一発づつ軽く俺を拳で殴り離れていき、立ち上がったりくっちと一緒に教室を出ていった。


だが、いったん教室を出て行ったりくっちは、念のためともう一度教室をのぞき込み、俺に一言声をかけてから、先に行った仲間を追いかけていく。


「それじゃ、よろしくお願いしますよ~」と、声をかけて。




教室に一人残された俺は、深くため息を吐くと、めんどくさいことになったなと悠太たちへの説明を考えながら、教室を出ていった。


あいつらを、叩きのめすことは簡単だけどあの感じだと、次の犠牲者が出そうだったし、俺がレベル上げついでに、強制しないと将来大変だろうな……。



しかし、絶対に向こうの世界で死ぬタイプだな。

……まあ、レベル上げをしていれば現実が分かるだろう。


向こうの異世界は、レベルを上げるだけでは強くなれないことに。

そして、どんなスキルを取ったのか知らないが、おそらく、訓練とかしていないんだろうな。


スキルは、訓練すると身につくのだ。

あいつらの動きで分かる、まだ身についてもいないことに……。

おそらく、異世界に行けることや冒険者ギルドまでは分かっているんだろう。


その先、スキルを使えるように訓練することや魔物との戦闘などは、まだ未経験だな。

もし経験があれば、レベル上げじゃなくてスキルの使い方を聞くはずだしな……。

大輔たちが、そうだったし。


はぁ、教室に帰ったら、悠太たちに知らせておくか……。




▽    ▽




「りくっち、うまくいったわね~」

「そうそう、流石りく君だよ。

しかし、弱そうな先輩だったな~、ほんとにあれが向こうではレベル百越えなの?」

「確かに、信じられねぇよな~」


ミクの言うように、うまくいったがサンタはあの先輩のレベルを信じてないようだ。まあ、正直俺も晃と同じように、信じられないんだが、ここは信じているふりをしないとな。


「あの先輩の冒険者仲間だっていう人に、直接聞いた話だからな。

向こうの世界じゃ、ちょっと有名見たいらしいぞ、ギルド職員にな」

「ギルド職員って、モブだろ?

そんな連中に有名って、どんな手を使ったんだ?」


ギルド職員、そういえばいろいろと注意事項とかうるさかったよな……。

スキル選びは、勝手が分からなかったから言うこと聞いたが、『精神耐性』なんてスキル必要か?と首を傾げたほどだ。


ほんと、うるさい連中だった。

……でも、異世界の町の迫力には脱帽だったな。

エルフや獣人にも驚いたが、やはり違う世界なんていうのはワクワクするものだ。


アミューズメントパークに行ったときに感じた、ファンタジーとは次元が違ったしな……。


「にしても、何で魔法とか使えなかったんだろうな」

「そうそう、せっかくスキルで魔法を取ったのにな~」


そういえば、孝二と真也は魔法を中心としたスキルを選んでいたっけ。

晃にいたっては、刀を選んでカッコつけていたし……。

まあ、俺は銃を選んでカッコつけてみたけどな……。


「ミクとエリは、どんな武器を選んだんだ?」


刀で斬るようなふりをした後、晃はミクとエリに聞いてみる。

そういえば、教えてくれなかったな。


「あたしらは、何か習っていたわけでもないし、武器振り回して筋肉つけたくないから銃っていうのにしたわよ」

「うん、私も~」


何だ、ミクとエリも俺と同じ銃を選んだのか。

ならレベル上げの時は、あの先輩を前に出して俺たちは安全な場所から攻撃でいいな。

ふっ、レベルが上がった後、楽しみだ……。





今日は、ここまで。

次回は、いよいよゴールデンウィークに突入。








第106話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

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