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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
高校生の日々を 2

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102/120

第102話 始まる学校




桜の花がまだ満開の今日、俺たちは高校三年生になった。


春休みも終わり、最後の高校生活を過ごすため、学校へ向かう。

中学、高校といつもこの学年初めの時は、目標やら未来やらを夢見てワクワクしながら学校へ向かったものだが、たいてい最初の一か月で諦めるんだよな。


とりあえず、今日はクラス分けが貼りだされているはずだ。


「行ってきま~す」

「私も、行ってきます」


妹の凜と一緒に家を出て登校する。途中までとはいえ、一緒に登校なんて久しぶりだ。

何を話せばいいのか迷うな……。


「お兄ちゃん、ゴールデンウィーク以外で異世界に行ってもいいのかな?」

「ん、ああ、それは友達の忍ちゃんと行くのか?

別に俺に許可取る必要はないが、行ってもいいぞ。

他の友達やクラスメイトを誘って、凜と忍ちゃん独自のパーティーも良いんじゃないか?」


「……」


いきなり、何を聞いてくるんだと驚いたが、俺のおススメを言っておこう。

凜たち独自でパーティーを組み、俺たちのパーティーと合同で依頼を受けるっていうのも、冒険者の在り方の一つだな。


少し考えているのは、誰を誘うかを考えているのだろう。


……そういえば、真之介さんやさやかさんは、その後どうしたのかな?

異世界へ行っているんだろうか?


特に、真之介さんは引きこもり状態が長かったとかで、仲間を作れるのだろうか?

ん~、こういう時こそ奴隷を仲間にするのかも……。




「お兄ちゃん、それじゃ、行ってらっしゃい」

「おう、凜も気をつけてな」


家から、最初の大きな交差点で俺と妹の凜は別れる

俺は、ここから駅へ行き、凜は中学校へ行くのだ。


そして、その駅こそが、冒険者ギルドに行くとき、待ち合わせ場所にしていたところでもある。

このまま、学校に行かずに異世界に行きたいぐらいだが、そうもいっていられないだろう。バカな考えを頭の隅に置いて、駅の改札へ。



改札を抜けて駅のホームに降りれば、俺と同じ高校の制服を着た人たちが増えてくる。何か特徴がある制服ではないが、同じような制服を着た人がいると、何故か安心してしまうな……。


「康太、おはよう~」

「悠太、おはよー。今日から三年だが、大学受験は大丈夫か?」


いつもなら眠そうにここで会うのに、今日はしっかりと起きて朝の挨拶をしてきた。

その姿に少しムカついたので、意地悪な質問をしてみた。


「それがな?冒険者でレベルを上げたからかもしれないが、近頃勉強が面白くてな~」

「……知能が上がったってことなのか?」

「かもしれないな」


いつの間にか、悠太が勉強を面白いというとはな……。

これも、異世界効果なのかもしれないな。




▽    ▽




電車に乗って、二駅過ぎれば高校に通うために使っている駅に着く。

後は、電車を降り、駅を出て、高校まで歩くだけ。


前までは、高校に着く直前にある坂も苦労していたが、今では楽に登れる。

これもレベル上げの効果だな……。


……結構、こっちの世界でも影響が出ているものなのだな。




学校に着き、下駄箱の横に学年とクラスが貼りだされているのを発見。

悠太と一緒に見に行くと、すぐに自分の名前を見つけた。


「……クラスメイトは、二年の時と一緒なんだな」

「学年が上がっただけなんだな……いや、担任が違うぞ」

「……あ、ほんとだ」


二年の時は、普段はおとなしいが怒るとめちゃくちゃ怖い斎藤先生だったが、三年の担任は大平先生だな。


「大平先生って、受験に強いって有名だよな?」

「なら、悠太がどこの大学を受ければいいのか相談できそうだな」

「康太は、どの大学に行くのか決めているのか?」

「いや、まだだ」


俺たちは、クラス担任が変わった大平先生のことから、大学受験のことを話しながら三年の自分たちの教室へ向かう。

ぞろぞろと何人もの生徒が、自分の教室へ向かっているため階段は少しだけだが混雑していた。




教室に入ると、既に何人かの見知った顔がそろっている。

勿論、その中には大輔の顔もあった。

冒険者としてスキルの使い方や訓練を受けてからは、見違えるように真面目になった大輔たち。


ゴールデンウィークの合同レベル上げを得て、パーティー解散となるが、それまでは少し居心地が悪そうだ。

まあ、あんなことをしてしまったのだ。そこは自業自得と反省してもらおう。


「おはよ~」

「悠太、おはよ~」


教室にいた生徒とあいさつをして、教室の後ろの掲示板を見ると、席順を書いた紙が貼りだされていた。


「え~と、俺は窓際の席か……」

「お、俺は後ろの入り口付近か」


悠太と別れて席に座ると、隣の席に日向さんが座っていた。


「日向さん、おはよう。学校でも冒険者パーティーでも、よろしくね?」

「康太君、おはよう。こちらこそ、よろしくね」


お互い軽く挨拶をして、少し雑談をする。

大学受験のことや、担任の大平先生のこと、冒険者での依頼や、ゴールデンウィークのことなどを話すことができた。


日向さんと二人だけで、こんなに話したのは初めてじゃないかな?

そんな風に思っていると、日向さんの後ろの席に新城さんが座った。


「おはよう、コハルちゃん、康太君」

「おはよう、新城さん」

「リコちゃん、おはよ~」


この二人は、相変わらず仲がいい。あいさつの後は、二人の雑談が始まった。

俺は聞き役にまわったが、いろんな話をするものだと感心するな……。


今日は、始業式と入学式の準備ぐらいだ。

最後の高校生活、どう過ごすのか、考えた方がいいかな……?





今日は、ここまで。

次回は、こっそり異世界生活。







第102話を読んでくれてありがとう。

次回もよろしくお願いします。

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