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駅前に冒険者ギルドが出来ていた  作者: 光晴さん
お試しの冒険者ギルド
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第1話 高校の教室から




つい先日、俺はネットの掲示板である書き込みを見つけた。

それは、都市伝説などを書き込むものだったのだが、場所が具体的だったんだ。




244:名無しの冒険者さん


〇〇駅前にある『〇〇』というビルの2階に、冒険者ギルドが出来ていたぞ。


勇気出して入ってみたら、きれいな受付嬢がお決まりのセリフ言ってた。


「ようこそ、〇〇駅支部冒険者ギルドへ!」



245:名無しの冒険者さん


それエロイ店じゃね?



246:名無しの冒険者さん


エロい店じゃねぇよ、マジで冒険者になれたんだよ!


冒険者カード、作ったぞ!

〈画像1〉


247:名無しの冒険者さん


でかっ!はがきサイズはないわ~



248:名無しの冒険者さん


きれいな受付嬢の動画は?


動画次第では、拙者も登録に行くでござるぞ!



249:名無しの冒険者さん


〈動画1〉〈動画2〉


どうヨ、金髪碧眼だろ?



250:名無しの冒険者さん


今すぐ逝く!



251:名無しの冒険者さん


マジで美人!しかも3人だと!!


俺も逝くぞ!!




という内容の書き込みだったんだが、俺は具体的な場所の書き込みが気になり、実際に行ってみたんだ。

決して、金髪碧眼の美人受付嬢に会いたかったわけではない。


で、行ってみたら本当に『冒険者ギルド〇〇駅支部』と看板が出ていた。

ただ、看板自体が小さかったから、もしかしたら中に入って『ドッキリ』の看板持った奴がいるのかもと、ワクワクしながらドアを開けると…。


掲示板の書き込み通り、美人の受付嬢がいた。しかも3人も!

そして、あのお決まりのセリフ。


「ようこそ、〇〇駅支部冒険者ギルドへ!」


俺は、なんだか恥ずかしかった。

本当に、こんなセリフを言うのかと思ってしまったからね。


顔を赤くしながら、受付嬢の前に行き冒険者登録をしたんだ。



「ちょっと待った!」




▽    ▽




ここはある高校の教室、明日から冬休みに入る12月の下旬。

俺と友達の悠太が、明日からのことで話し合っていた。


よくある、冬休みの過ごし方だ。


ただ、今回の話し合いは、いつもの話し合いと違っていた。

なぜなら、俺の夏休みの行動が原因になっていたからだ。


冒頭でも書いたが、俺は今年の夏休みに例の駅前にできた冒険者ギルドの書き込みを見て出かけて行った一人である。

そして、冒険者登録をして異世界へ行ったのだ!


……信じられないだろう?

安心しろ、夏休みの間中、異世界へ出かけていた俺もいまだに信じられない。

だが、これは現実だ。


で、この体験を夏休み明けの二学期で友達の悠太に聞かせたところ、めちゃくちゃ羨ましがられた。

そして俺も登録したいとねだられたのだが、俺は冬休みまで待つように説得したのだ。


何故か?

それは簡単だ、悠太がうざかったのもあるが、実は登録には一日かかるのだ。

これは、冒険者登録をしてみればよく分かる。


小説や漫画なんかである、簡単な冒険者登録とはわけが違う。

一日がかりでおこなう登録なので、時間的余裕のある大型の休みの日にやった方がいいのだ。


そして、冬休み前日の教室で明日おこなう冒険者登録の話をしていた。

まずは、俺の始まりから話し始めて、悠太がストップと止めたのだ。


「何だよ悠太、質問か?」

「ああ、その受付譲なんだが、どんな美人だったんだ?」

「ん~、あの時は、ロングの美人とショートの美人が二人だけだったな」


「……それじゃあわかんないだろ?」

「誰に似ているかってことか?」

「そうそう」


「俺、芸能人に詳しくないから分からん。

それに、外国の女優にも詳しくないし……」

「……金髪だからか?」


「そうだな、二人とも日本人の顔はしてなかったぞ」

「そうか……」


そう言うと、悠太は考え込んだ。

何だろう、日本人の美人で金髪碧眼がいいのか?

流ちょうに日本語を話していたからいいと思うんだけどな……。


「……で、明日冒険者登録しに行くのか?それとも諦めるのか?」

「行くぞ、誰が諦めるものか!」


でしょうね。

悠太はそういうやつだよ。


「それで、冒険者登録ってどんなことをするんだ?」

「まずは、受付で『名前』『生年月日』『住所』を記入する書類を渡されるんだ。

それに記入して、受付嬢に渡すと仮冒険者カードをもらえるんだよ」


そう、まずは仮冒険者カードを受け取るんだよ。

そのカードを受け取ると、受付の右手にある男女に別れた扉から中に入る。

当然俺は男だから、男の扉から中へ入った。


するとそこは、更衣室になっているんだ。


「更衣室?更衣室なんて入って何するんだ?」

「勿論着替えるんだよ、俺たちの世界の服から異世界の服に」


悠太は、よくわからないことがあると考え込む癖があるようだ。

まずは自分で考えてみる。というやつかな?



「服を着替えるのは、向こうの世界で違和感を無くすこと。

向こうの世界だと、俺たちの世界の服は奇妙に見えるみたいらしい。

後は、そのままで行くと向こうの世界に着いた途端、消えてしまうからかな」


「え、消えるって?

俺たちの世界の服が奇妙に見えるって言ってたけど、どういうことだ?」

「混乱するな、ある方法を使えばこっちの世界のものを向こうに消えることなく持っていける方法があるだけだから」


そう、ある方法を使えば、この世界のものを持っていけるのだ。

その方法は次回のお話で……。








更新不定期ですが、なるべく毎日更新するつもりです。

次回もよろしくお願いします。

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