ローラのプチ本気
イヴ君傷心です
「いや、あのさ、とりあえず仲間に加わったことはいいが…」
「…はい…」
カンナにフルボッコされ、両手足のうちの4分の3が消し飛んだという訓練ってなんだっけ?と言いたくなるような大怪我からはや1日
そう、ずっと気を失っていたらしく今起きた
怪我人は結構でるので、怪我を治したら自室にちゃっちゃと送られてしまうらしく、眼が覚めた時にはすぐ横に非常に申し訳なさそうにしているカンナがいた
薄情なローラはいない。きっと自室で惰眠をむさぼってるのだろう
起きた瞬間物凄い勢いで土下座されたけど、気にしない
正直、怪我したことも今の今まで気絶してたことは特に気にしてない
俺が弱かったからしょうがないのだ
俺はクールだからいいのだ、気にしてないさ。一発も当てられずフルボッコされても畜生!!いや、クールだし、俺はクールだから気にしないクソがぁ!!!
「とりあえず、何あれ?」
「あれ?とは?」
可愛らしく小首を傾げるカンナ
「いや、技って初めて見たんだが…魔力強化なしで魔力強化した俺をあそこまでフルボッコできるもんなのか?」
「?」
技ってどんだけ強いねんと軽く突っ込みを入れられるレベルで、強かった
無手使いとしては俺も技を覚えておく必要がありそうだと自覚した
しかし、そんな俺の質問にも更に小首を傾げるカンナ…あれ?俺ちゃんと伝わる言語で喋ったよな?何かよくわからない周波数とか出てないよな?
「あれ魔力強化してるよ」
「!!?」
ローラの声が部屋に響く
慌てて部屋を見渡すがいない。ナニコレ?心霊現象?俺幽霊とか見えないんだけど
ベットの下でゴソゴソと動く音がするのは気のせいか…
「改築完了」
モゾっとベットの下から顔だけ出るローラ
ちょっとびっくりしたじゃねえか!!
「え?何改築って?ってか魔力強化してなかったぞ」
直接対峙してた俺ならわかる……が
「攻撃が当たる直前で魔力を使って強化、終わった後にすぐ戻すをしただけ」
よっこいしょ、と言いながら椅子に座るローラ
「あ~…ローラちゃんが正解です。すいません」
申し訳なさそうなカンナ
つまり、今のをまとめると…
技が当たる直前で魔力強化、当てたら戻す
俺、それに気付かない
対峙してたのに…
ローラ気付く
寝転がってたのに
カンナが首を傾げたのも理解したよ
だって、え?魔力強化したのに何を言ってんの?このザコが!ってことだよな?
え?そんな俺レベル低いの?
奥の手使えば結構強いと思ってたよ?
「しっかりしてよ。999位目指すのに最低限あれぐらいは見切ってくれないと厳しいんだけど」
厳しい叱咤…クールな俺も涙を流したくなる時もあるよ
「えっと…私が鍛えますから安心してください」
ニッコリ笑う元とはいえ8位からの言葉に涙が流れそう
クールだから泣かない…
カンナの戦いを見るための条件はガチだ…折角のチャンスだから…うん、鍛えてもらおう…それがいい…
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はい~そんなこんなで3か月後!
カンナとイヴが師弟関係になってから3か月!
実況は私がお送りするよ
あれからやったのは、城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし城落とし
どんだけ城落とすんだよって突っ込みはもう諦めた
カンナが言うには城落としをする理由は単純に楽だからってのと、時々強いのと当たれるのと、目的がしっかりしてるので盲目のカンナが対象を探す必要がないことらしい
まぁ私としては城落としが楽だというカンナの思考が全く理解できないけどね。てきとーにぶち殺万歳でいいと思うんだけどね
城落としの間に行われる鍛えるという名の、半殺し
カンナが容赦ない
あの子、いい子なんだけど容赦しない
多分この3か月で救護班のお世話になったのはダントツでイヴだと思うよ
「あ~単独任務ってめんどい」
まぁ大量の城落としのおかげで、イヴのランクは1010位
私は人外掃討の任務を受けていた
一人で…
理由?
私が1001位になってから既に2か月立っててお偉いさんから、物凄く怒られたからだ
お偉いさんから泣きながら早くあがれよ!!!!って怒られたらもう行くしかない
イヴもカンナと一緒に昇格クエストを受けてるし、まぁ丁度いい
ちょっと試したかったこともあるし
今回のクエストは、人外掃討でお偉いさんから怒られたこともあり、一人だよ
一人で受けろと命令されたよ。私命令されるとやりたくなくなるんだけど…けどさ、まぁイヴより下のランクになるのはやだなぁ…
話題が寄り道しちゃったけど、内容はでかい亀の討伐だよ
詳細がでかい亀のような化物を退治してくれっていう内容なんだけどね
依頼出した当事者たちは既に他の世界に避難してるらしい
んでさ、目の前にいるわけよ
でかい亀が
「…お家帰りたい」
私が滅茶苦茶首を限界まで上げて、見上げると顔っぽいのが見える
高さがさ、50mくらい上に頭があるんだよ
首痛いよ
足でかいよ
大きいよ
ちょっと待ってこれ普通に私じゃ手おえないよ
これ完全におかしいよ
幸い相手はこっちに気付いてないし、何か進むたびに地震並みの揺れが起こるし
「…え~と~《動き止めろ》」
15本全部近くの足に突き刺す
刺さって命令がちゃんと通った感覚
でも動いてる
そりゃそうだよね。でかいもん
要はあれだよね。毒が巨体だと回りが遅くなるじゃん?それと同じでさ
命令しても多分全身が支配できてないんだよね
「どうやって殺そう…」
こっちに気付いてないからとりあえず、踏みつぶされたくないから逃げるけど
頭まで登って全部刺せばいけるかな?
移動の時の足が動くタイミングを見極めて山登りしながら、周囲に誰もいないことを確認する
幸い自然が多いので、楽はできそうだけど
「はい、登頂~《死ね》」
15本全部頭に刺して、命令する
人間程度なら確実に自殺してくれるんだけど、この亀はそのまま歩みと止めずにのっそり歩く
「いぇーい…これ無理じゃん!カンナ連れてこいよ!!カンナなら一刀で両断できるでしょ!!」
操作系の魔法はこういうのがあるから、嫌だ
ちょっと本気だすしかないね
私の魔法はなんでも操作できる
物体に限るけど
範囲は無い。どこまでも伸びる糸を刺せばいいだけ
なので、
「《全部こいつの顔を狙って発射》」
甲羅に座りながら、周囲の木々を操作して根っこごと引き抜いて発射
狙いはこいつの顔面
15本ずつの大木をぶつけまくる
ひたすらぶつけまくる
唯の作業
耳栓してるからこいつの馬鹿みたいに大きい悲鳴は聞こえない
甲羅が固いから寝にくいし、揺れるし乗り心地は最悪
さっさと終わらそ
30分後ーーーーーー
この亀硬いんだけど…柔らかそうな頭に集中砲火しても悲鳴上げるだけで死ぬ気配がまるで無い
60分後ーーーーーーーーーーーーーーーー
状況変わらず
120分後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ふっざけんなよこいつ!!もう木がないよ!!」
森林伐採よりも酷い自然破壊をしたけど、変わらない
操作物を変えよう!
次は5メートルくらいある大岩もゴロゴロ転がってるので、それを使おう
60分後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
全く変化なし!!!死ね!!!!!!
揺れが激しくなっただけだっての
120分後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
もうやだ…
魔力つきそうだし…休憩しよ
ついでに伸ばしとこ
360分後ーーーーーーー
寝すぎた…接続は終わった
「《堕ちろ》」
600分後………
さて、
「お家帰る」
一回アルクエリに戻る
相手が物凄い遅いし、仮眠室に行って寝よう
120分後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
転送再び
「はい、終わった!帰る!!寝る!!!!!!!」
亀がグチャっと潰れており、周囲も吹き飛ばされてて、ちょっと人が住めないくらいに酷いことになってるけど、まぁいいよね
帰って惰眠しよー!
ローラは正直強いですよ