仲間が増えました
タッグからトリオになります
「…」
目の前にいるのは、ものすごく不機嫌なローラ
理由はわかっている
「おらぁ!!」
そんなローラに殴りかかる男
確かランクは1500位くらいで、俺よりもランクが上の無手使い
一つ言おう、これは喧嘩ではない
ローラはそれが見えてないかのように俯いている
流石に1500位だけあって、動きは速い
俺ならぎりぎり反応して避けることはできそうだ。
だが、ローラは拳が当たる前にようやく目線だけを相手の男に向ける。次の瞬間、拳を片手であっさりと弾き飛ばすと、逆の手で相手の喉を突き刺す
喉を潰し、相手がひるんだ瞬間に顔面を掴み思い切り地面に叩きつけた
「はぁ……」
もう一発だけ、地面に叩きつけて相手が気絶していることを確認し、ローラはゆっくりと俺の方に向かってくる
ローラの容赦無さにいつも通り、周囲のやつらは一瞬だけこちらを見て溜息を吐いてすぐ目を逸らす
何故ならローラが近接訓練に参加すると起こる事象だからだ。ローラが近接訓練をさぼれば周りもひゃっほー!ローラもひゃっほー!
ただし、ローラが参加すると
ローラが超不機嫌になり、周りも犠牲になりたくないと恐怖する
「…疲れた…だからやなんだよ近接訓練」
こいつどれだけ嫌なんだよ近接訓練
珍しく面白いクエストがヒットしなかったため、逃げれなかった
城落としから、次の日である
苦虫を潰したような表情のローラ
待て待てお前は面倒かもしれんが、相手の男生きてんのかってレベルで酷いことになってるからな
一般級の合同であるため、ローラは少し強すぎるのである。
正直、格がやっぱり違う
「イヴも勝ちなよ」
不機嫌なのも相まってか滅茶苦茶睨まれた
「手加減はしないさ」
順位999位目指すとカンナの戦いを視るための条件で決まってしまったからな…
辛い…現在の順位1988位から1700位まで一気に上がったのは城落としの影響だろう
俺なんもしてないけどな
自慢じゃないが、1500位程度は行けるはずだ
「あっごめん、勝てって嘘無理無理無理無理!え?本気でやったの!?」
「え?あれ?…何か見覚えがあるぞおい」
ローラが寝ころび始めて俺を応援しようとして諦めていた
「あ…どうも」
そりゃそうだ。。。俺の相手…何か見たことあるニッコリと笑顔だ
目が見えないため、常に目を瞑っていて本気になると目を開けるらしいという情報は知っている
「えっと…昨日ぶりですね」
「あれ?俺記憶また飛んだのかな…目の前にいるのカンナだと思うんだけど気のせいかな」
戦闘訓練用の服を着て、刀は持っていないが超越級第8位がいる気がする
「ふふ…あってますよ」
ニッコリと笑っている
俺の背中からは冷や汗が大量に出ている
もうこれは身体中の水分が全部出ている気がする
「えっと…何でいるの?超越級第8位だから合同訓練にいるのはおかしい気がするんだけど…」
「あ~~~…あ…と、そのですね。超越級第8位の殲滅のカンナ改め、一般級1999位の唯のカンナです」
「は?」
ん????
なにいったこいつ
なにいったこいつ!!!!!?
「え?降格にしてもありえないくらい落ちてね?」
8位から1999位って明らかにおかしい
なんだろうなにこれ?久しぶりに意味がわからん。どういうこと?え?誰か説明して?
「あの…仲間にしてほしいな~…っと思いまして~~ローラからランクが高すぎると言われまして」
「う…うん」
「…とりあえず、偉い人を説得して1999位まで下げました。なので今日からローラちゃんとイヴさんとトリオになりました」
俺なにも聞いてないけど!?
何も聞いてないけど!?ニッコリ笑顔が相変わらず眩しいけど何も聞いてないけど!!?
後ろを振り向いてローラを見ると、地べたに寝転がりながらグッと親指を立ててた
…寝転がりながらだから、親指下に向いているだけだよな?
「…じゃあ来てください」
とりあえず、状況は理解したし信じられんが、元超越級第8位と戦えるなら本望だ
「ぶっ殺す!!」
魔力を最大まで開放し、肉体強化へ回す
近接訓練で肉体強化はセーフじゃなく、アウトだが相手が相手だしこれはセウト!まぁルールなんてあんまりないけどな
カンナに接近してとりあえず様子見で顔面を殴りかかる
だが、カンナは肉体強化をしていない
というより魔力を開放していない
「うぉい!」
当たりそうだった拳を急いで止める
魔力を開放していない人間が魔力を開放して肉体強化した人間に殴られれば、どうあがいても潰れる
というより、肉体が木端微塵になることはこのアルクエリでは常識である
「?…どうして止めました?」
「いや、だって魔力開放してないし」
「…えっと…、なんといいますか…ですね。私は元ですけど…超越級8位ですよ?」
カチンと来た
つまり、あれか?超越級8位様は俺相手には魔力を開放する必要が無いと?
はっは~ん、なるほどね。うん、なるほどね。いいじゃねぇかぶち殺す
「おら死ね!!」
拳を戻して、そのまま足へと蹴りを放つ
当然魔力を開放したので、その一撃はカンナに当たれば両足が吹き飛ぶ
だが、その足は吹き飛ぶことなく
俺の身体が宙を舞っていた
「は?」
受け身を取りつつ着地、目の前には既にカンナがいた
景色が一風変わり、一瞬意識が飛ぶ
顎に衝撃がその後に伝わる
唯の掌底を食らっただけらしい、魔力を開放して肉体強化しているのでダメージは無い
ちょびっと後退して、意識をしっかりと戻す
仕切り直しで威力は無いが連打をするために、小刻みに拳を放つ
もう一度衝撃
物理的にではなく、精神的に
小刻みに放つつもりの拳、その一撃目で手首をガッチリつかまれていた
重心がどこかに吹き飛んだかのような感覚と共にそのまま地面に叩きつけられる
「前回はお見せできませんでしたが、技を使いますよ」
叩きつけられながら、その声を俺は聞いた
「無手、一の手《起動》」
技は知っている。武器使い達が使う固有の技
魔法ではないが、物理で魔法のような現象を発生するものである
と言っても魔法のように転移とかはできないらしい。あいにくと会ったことがないから詳細は知らん
だが、よくわかった気がする
魔力を開放していないのはわかっている。目の前にいるカンナは魔力を開放してない
綺麗だという印象はわかった
カンナの手刀で俺の腕が斬られた
魔力で強化した肉体が、魔力で強化されていない手刀で
「大丈夫ですよ。腕は治りますから、二の手《遮り》」
ニッコリ笑顔のままカンナの足が俺の足を振り払う
腕の痛みを認識し、激痛が俺を襲う前に俺の両足が斬られた
「は!?」
「あ…やりすぎました!誰か!!救護班!救護班を!!」
「うがぁあああああああ!!!」
片腕と両足を失った俺に意味が分からないほどの激痛が襲う
痛い!めっさ痛い!やべぇ痛みで…意識が…と…ぶ…
最後に見えた景色は俺の残った手を握って泣きながら救護班を呼ぶカンナであった
カンナのキャラ好きですね~
ただ、キャラ的にはローラが一番好きです