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スーパーボール

「ママ、スーパーボール取りに行こう?」

子どもは好きだよね〜、そういうの。

「お祭りは1週間後だから、そしたらスーパーボールすくいやろうね」

母はお祭りも大好きだ。

ご近所さんとお祭りの舞台前で、朝からずっと飲んでいる。


パパが目の前で商工会の出し物をしていて、それをずっと見て、飲んでいる。


お酒の飲めないパパは、会計係りとしてかなり優秀なのだ。

でも、会計コーナーが混んできたら母も手伝いに行く。

決して、お礼のビールが目当てではないです、ハイ。


そして、息子のほしいスーパーボールは、ぴょんぴょん跳ねるあのスーパーボールではなかった。


都会はさすがだ。


息子のレベルがすぐに上がって、貰えるモンスターボールもレベルアップしたのだ。


けど、まぎらわしくない?

なんでワザワザそんな名前にしたのか。

あれ?

ポケモ◯の方が先に出たんだっけ?

いやいや、まさか。


母、聞き間違えたり早ガッテンしたりで、よく人を殺す。

「何何さん、死んだらしいよ〜」

ってな具合である。

後で別人とわかるのだ。


嫁いできて15年以上経つのに、いまだに各家庭の屋号が覚えられないからね。

むちゃんこ、パパに怒られるからね。

◯◯エムさんとか、◯◯ジェムさんとか、似てるんだもん。

別に、普通に佐藤さんとか鈴木さんとかでよくない?

と、心の中だけで思っている。


だから調べたよ。

ぴょんぴょん跳ねる方が先だった、ほっ。

間違えてない。


まあ、スーパーボールも的に当たらなければ、結局10個使うことになるのだけれども。



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