ブンブンブン
夏休み、ヒマな息子は時々パパの仕事について行く。
今日はママもついて行く。
車に乗ってとうちゃ~く。
めったに来ない場所を探検しちゃうか。
ん?
ハチ、多くね?
この現場、ハチ、多くね?
スピアーではなく本物の。
なんと現場のお家にスズメ蜂の巣、あるでござる。
これはあかんやつやで。
早速召喚ですよ。
来たれ!危険物取扱免許持ち、何でも屋さん!
パパがスマホでピピッとな。
「あ〜もしもし〜、スズメ蜂の巣駆除よろしくです〜。あ〜、はい30分以内でよろしくです〜」
「じゃあ、ひとまずこれ2本持ってね」
若い兄ちゃん、スズメ蜂ジェット?持たされる。
2丁拳銃みたいでかっこいいよ。
私持つのイヤだけど。息子と車から出ないけど。
30分が待てないのか、手持ちぶたさになったパパ、
「ちょっとこの隙間から、シュ〜ッとやってみちゃうか」
イヤイヤイヤイヤ、何の為に召喚なすったのよ。
シュ〜ッとな。
とたん、ブ〜〜〜〜〜〜〜ン。
元気になっとる。元気になっとるよ!
ハチさん、元気になっとるよ!
怒ってるよ!
「これはあかん。手を出したらいけないな」
ふ〜って。
みんな知ってた。パパン以外みんな知ってたよ。
あ、来た来た。何でも屋さ〜んお願いしま〜す。
「おう!任せとけ!」
キラン☆輝くコワモテおじさん。
ハシゴを1段、2段、3段……。
「こ、これ以上は怖くて登れないっす」
え? 3段だよ? 息子でも、もちっといけるよ?
「こ、こわいっす」
コワモテ、腹ぷよぷよおじさん、涙目だね。
でもガンバって!
最終的に危険なお薬シュッとして、瞬間、ハチの音が止んだ。
怖え〜。危険なお薬、ちょ〜怖え〜。
んで、壁の中から2メートル近い巣が出てきた。
怖え〜。
息子、今日は何かを悟った顔して、ポケモ◯散歩をするの諦めたっぽい。




