七羽 家畜(ニワトリ)妖精ちゃんを助ける 二回目
スキルに【突進】を追加しました。
はい、書き忘れです。
あれから何度か話しかけてみたがやはり伝わってないみたいだった。
となれば会話は無理と思った方がいいだろう。
「それで」
俺がどうコミュニケーションをとろうか考えていると、妖精ちゃんが口を開く。
「私をどうするき!!簡単に私を倒せると思わないで!!」
なんだこの娘、情緒不安定か?
喋れないいじょう鳴いてジェスチャーをとるしかないか。
「助けた事には感謝するけど、それで私から信用してもらえるとは思わないことね!!」
「コケッ」
首を左右に振りながら鳴いてみる。
否定のジェスチャーだ。
「だったら…なにが目的よ…。私はまだやらなきゃいけない事があるの!!」
なにが目的って、妖精ちゃんが勝手に俺の背中で寝て、勝手に洞窟の奥に行って、勝手に怒り出しただけなんだが…
しかしこれを伝えるすべが無い。
ならばこうするしかない。
俺は体を壁にくっつけて、妖精ちゃんと外を交互にみる。
さっさとこっから出て聞けのジェスチャーだ。
[称号を取得しました。]
【ジェスチャーの多用】
お、称号はこんな感じに手に入るのか。
「な、なによ…?」
最初は意味が伝わっていなかったのだろう、しかしすぐにジェスチャーの意味を理解したみたいだ。
「… …!!出て行けって!?出て行けっていってるのね!?!?」
「コケ!コケ!」
コクコク、と頷く。
肯定のジェスチャーだ。
「なんなのよ!!あなた!!言われなくても出て行くわよ!!」
この娘はなにを言っても怒り出すな… カルシウム足りてんのか?
俺の横を通り過ぎ、入り口の前で止まりこちらを振り返る。
「バァァァァカ!!!」
そう言うと、入り口から出て行った。
… …なんだったんだ…
「キャアァァアァ」
… …はぁ、まったく… …
出て行ってすぐに妖精ちゃんはさっきまでいた洞窟の奥へと戻る。
なにやってんだこの娘は…
「ま、まだ魔法が上手く発動しないのよ!!」
そう言いながら、俺の背中に飛び乗る。
「あなた!強いんでしょ!なんとかしなさいよ!!」
入り口をみるとウサギのような生き物がこちらを見ている。
ウサギ?けど牙とか角とか生えてるな。
これが魔物というやつか?
しかし戦うといったって突進しかないぞ…
妖精ちゃんはファイアーボルトとか覚えてたろ?
魔法が上手く発動しないとも言ってたし、ポンコツじゃん…
ジリジリと距離を詰められる。
まずいな、レベルが上がったとはいえ俺自身の経験が浅い。
まずは敵の情報を知ろう。
ステータス!
[ステータス]
Lv 5
[名前]ローラビット
[性別]オス
[種]ラビット
[族]ロー
攻撃力: 10
防御力:12
体力: 10
魔力: 2
魔法防御力: 0
素早さ: 50
運: 2
[スキル]
【ハイジャンプ】Lv3 【突進】Lv2 【ローターホーン】Lv3
[パッシブスキル]
【普通の角】Lv2 【普通の牙】Lv2
[称号]
【ストーカー】
ーーーーーーーーーーーーーー
レベルは俺より高いが、ステータスがかなり低い。
レベル高いからって強いとも言えないのか?
「ちょ!前!前!!」
ステータスを見ていたので隙が出来てしまっていたのだ。
ローラビットが近づいているのに気づかなかった。
ローラビットは角を回転させ、突進の体制をとった。
おそらく【ローターホーン】と【突進】のスキルだろう。
やばいやばい!避けられない!
回避は無理、なら受けるまで!
俺は新しく覚えたスキルを使うべく、【防御】と頭の中で強く思い浮かべる。
そうすると羽が勝手に動き、体を覆った。
ドンッ
ッ!痛った!何が防御だよ!普通に痛いんだけど!?
「きゃ!!」
いきなりで驚いた、妖精ちゃんから悲鳴が聞こえた。
しかし、突進されたにもかかわらず衝撃が吸収されている。
[【防御】のレベルがLv1→2になりました]
レベルが上がったのか、でも今はそれどころではない。
突進が防御され、ローラビットが怯んだ。
「今!怯んでるわ!」
くっそ!
俺は【突進】を使ってローラビットに突っ込む。
先っきの速さこそ劣るが助走もつけずにかなりの速さがでた、これがレベルアップのおかげか。
ローラビットはあまりの速さに回避が出来ず【突進】をまともに受け、深々とクチバシが体に刺さる。
「ビュ!!?!」
ローラビットは刺さったクチバシを外そうともがくが、為す術もなく力尽きた。
[レベルが2→3になりました]
[スキルポイントを1取得しました]
[【突進】のレベルが1→2になりました]
[ローラビットを倒しレベルが上がったため【ローターホーン】を取得しました]
[エラー。。。角、関連のパッシブスキルがないため【ローターホーン】を取得出来ません]
[スキルポイントを1使うことでパッシブスキル【弱い角】が取得可能です。]