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sideリーリア 1話

穏やかな風が吹き、森の草木を揺らしている。

大きな木で周りを囲われた中央に生活感ある村が活気だっている。

ここが私の、妖精種ヴィル族が住む村だ。

村はあまり多くないが100人は住んでいる、妖精種は寿命が長いため村には子供が多いい、私もその中の1人だ。

学校も、村には2つある。

1つめは低学部と中学部、2つめは高学部がある、私は高学部に通っている。

私はこの村では1番才能があり、この歳で魔法を複数使える。



「リア〜、おはよ〜」


通学中で必ず一緒になる彼女はチー、小さい頃からの幼馴染だ。

チーは私の事をリアと呼ぶ。


「おはよう、チー。」


挨拶を返すと、笑顔で肩を叩き


「今日も不機嫌そうな顔してるねー 、あははは」


別段不機嫌ではない、しかし学校では鉄壁の優等生とか呼ばれている。

告白してくる男子を振ってたらいつの間にかそう呼ばれるようになった。


「余計なお世話よ…」


そんな事をいつも話しながら登校している。

授業で話される内容は知っている事ばかり、魔物は危ないだの、冒険者になれだの。

窓の外見ながら今抱えている悩みについて考える。

私が考えた所でどうにもなることではないが、それでもどうにかしたいと思っている。


内容は私のもう1人の幼馴染みであるルーリが行方不明なのだ、チーとも仲が良かったけど、私が1番仲が良かったと思う。

よく2人で遊んだり泊まりあったりしていた。

チーは私が落ち込まないように、自分は平気に見せているけど、だけど知っている

誰もいなくなった教室でルーリの机で泣いていた。

私は最低だ… チーが平気だと言ったからその強さに頼ってた、チーは平気だからって…

そんなはずないのに…



学校が終わり、チーと一緒に家へ帰る。



「ねー、リアはいつになったら獣を使徒にするの?」



私は使徒を従わせる歳にはなっている、しかしなぜか獣を従わせる事ができない。


獣を従わせるには獣と精神を一つにする必要がある。

しかし、何度も何度も試したが誰も使徒として従わせる事が出来なかった。


つまりこの歳で使徒を持っていないのは私だけだった。


「いろいろあるのよ…」



「ふ〜ん」



村長様が言うには私の魔力が強すぎるために普通の獣じゃ精神が合わないのだろうとの事だった。



チーと話していると前から誰かが飛んでくる、あれは村長様のお孫さんだったかな?



「はぁ… はぁ…!」


魔力の消費も考えずに全速で飛んできたのだろう、酷く息を切らしている。



「あ、あの?どうしたんですか?」


チーが質問する。


「はぁ…、ルーリ、ルーリが目撃されたって…」



「!?」


私は話を最後まで聞かずに村長様の家へ飛んでいく。

今は一分一秒も惜しいくらいだった。



村長様の家の前に大勢の人が集まっていた。

どうやらみなルーリの事が心配できたのだろう。



「村長様!!ルーリは!?ルーリどこなんですか!?」



村長様の肩を両手で掴む。


「リーリアか…孫から聞いたようじゃな。目撃者によるとルーリはローガンの森で見かけたらしいのじゃが…」



「!?」


ローガンの森!?どうして!?

あそこは普段近づいてはいけない森。

果実などが豊富にあるがそれは全てローガンという魔物の物だ。

下手に触ればローガンの怒りを買うことになる。



「何処へ行く!!」



「決まってるでしょう!?ルーリを助けるの!!」


ローガンの森に行こうと羽に魔力を溜めた時、村長が魔力を打ち消した。


「馬鹿をやるでない!詳細な位置もわからんのじゃぞ!?」



「それは!?目撃者の人に聞くわ!」



全体が静まる、その目撃者に何かあったのかと悟る



「その目撃者はルーリの事を伝えて力尽きたわい…もうほとんど体が機能していなかった。生きて村まで戻って来れたのが奇跡なくらいじゃった。」



「… …」



そう、わかってる。

それくらいローガンの森は危険なんだ。

でも!!


「!!!」



「リーリア!?待つのじゃ!!」



私は村長様の隙をついて一気に最高速で飛んだ。



「愚か者が!探索部隊!リーリアを追い連れて戻れ!あの子は才能はあるがまだ子供だ…魔物ともろくに戦ったことのないただの子供なんじゃ…」



私は村から出てローガンの森に入った。

入ってから少し経つが魔物には出会わない。

これは都合がいい。

そんな事を考えていると後ろから音がした。


「え…」


後ろを振り向くとローラビットだ、小さなウサギに角と牙を生やした感じの魔物だ。魔法が使えれば敵では無い相手だ。



「私なら出来る…私なら出来る…」



そう、私は魔物と戦うのはこれが初めてだ、魔法のレベルが高いのも必死に頑張った成果だ。

才能があったとて他よりちょっと魔法が使えるだけだ。


いつものように演唱して魔法を放てばいいだけ、いつもやったじゃない…



「ファイアーボルト!」



… … …




「発動しない!?どうして!?」


わかってる、魔法は精神に大きく関わる。

つまり、緊張し動揺すれば演唱は上手くいかない。

そんなことあるはずないと思っていたら、それこそ典型的な例だ。


「ファイアーボルト!!」



「ファイアーボルト!!」



なんで!!なんで!!なんで!!

なにが才能があるよ!!これじゃみんなより駄目じゃない!!



「きゃ!?」


襲ってきた!!!

これは勝てない…



逃げるしかない…

親友を助けるために村長様達に迷惑をかけて、親友も助けずに、弱い魔物に逃げて帰ってきましたってそれこそ迷惑の迷惑よ!!


何処か!何処か隠れれる場所!!


周りを確認すると小さな洞窟が見えた


!!

少し遠いけど全速で行けばなんとか振り切れる!!



「ピッー!!」



再度ローラビットが襲ってくる、それを躱し、魔力を羽に溜めて全速で洞窟に飛んだ。




「はぁ… はぁ…」


なんとか振り切る事が出来た。

魔力も底を尽きている。

他より魔力の高い私は尽きる感覚を初めてしる。

今日は初めての事ばかりだ、今日はここで休もう。

明日からルーリを探そう。

そう思いちょうどいい寝床を探す。


暗くてよく見えないがふかふかな場所があった。


なにかしらこのふかふかの毛皮?

けど疲れのせいで頭が働かない、ここで眠るとしよう。


朝、変な鳴声で起こされる。

ぎこちなさこそあるが、なぜかずっと聞いていたい声だった。



目を開け声がした方を見ると、真っ白な毛?で目が隠れ真っ黒で黒光りするクチバシが見えた。



「魔物?なんでこんな所に魔物が!?」



私はとっさに距離をとった、しかしそれが間違いだった。

洞窟の奥に入り行き止まりに入ってしまった。

前には見たことのない魔物がいる、後ろには壁だ。

いつでも隙をつけるように身を縮め隅へと移動する。


やばい!あの魔物はやばい!本能がそう悟る。

あの真っ白な姿、汚れが全くついていない。



「それ以上近づかないで!!魔法てで丸焦げにするわよ!!!!?」


勿論まだ魔法が使えるとは思もえない、しかしそれじゃあ私のプライドが許さない、きのうは逃げたけど今度こそやってやる!!



コロコロ


な、なに?魔法?

違うこれは、ローガンの森だけにある珍しい果実だ、話には聞いたことあるが魔物から渡された物だ、絶対毒がある!!


しかし、お腹が減った。

昨日は飛びたしてきたせいでなにも食べてない、甘い匂いがお腹を空かせる。


モグモグ


!?

あの魔物!平然と食べてる!

私が悩んでるのをいい事に!!


いいわよ!食べてあげるわよ!!


私は1人で勝手に怒り、甘い果実を持つ。

これは毒、これは毒。

甘い匂いで誘って弱った私を食べる罠なんだ。

食べるわけにはいかない!食べちゃダメ!!


しかし食欲には勝てなかった。


モグモグ


!!

なにこれ!!美味しい!!

こんな甘いくて肉厚で美味しいもの食べたことがない!!


私はあまりの美味しさにぺろりと全て食べてしまった。


しまった。

後悔した時にはもう遅い、全て食べてしまったのだから。



「なに!?」


前の魔物が妙な動きをしている、まさかこれが目的!?

これになんの意味があるの!?

なんの魔法!?見たことない動き、演唱かもしれない。


頭の中にいろんな可能性が交差する。

少しするとピタリと動きを止めた魔物がこちらをみていた。


!!


「正体を現したわね!!クソ魔物!!」



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