十三羽 家畜(ニワトリ)村で聞き込みをする
俺たちは宿を探すべく村を歩いている、村というがそれなりに広い。
「あのー、すいません!ここ最近に来た妖精種の商人を知りませか?」
もちろん、目的であるルーリの情報を集めているのだが、ルーリはローガンの森で妖精種の商人が目撃したらしい、だから今はその妖精種の商人について足取りを追っている。
「はぁ、やっぱりそう簡単にはいかないわね…」
どうやら、またハズレだったみたいだ。これで4件目になるがこれといって情報が集まらない。
ん?ここは宿屋みたいだな。宿はここでいいんじゃないか?
「コケ!」
「え?そうねここで宿を取りましょう」
俺たちは1度聞き込みを中断し宿屋へ入った。
「いらっしゃいませ!」
ハキハキとした声で出迎えてくれたのは赤い髪が腰まであるロリ少女だった。
「部屋あいてるかしら?」
宿屋の中は入るとすぐカウンターがあり隣には大きなテーブルと3人ほど座れる椅子がいくつかあり、酒場になっている。
人は程々にいる。
「よ、妖精さんだ…」
妖精ってそんなに珍しいのか?
会う人会う人驚いてるな。
「ん?妖精かい?」
カウンターの奥からおばさんが出てきた。
「あ、お母さん」
「ほら、仕事にもどってな」
はーい、ともどっていったロリ少女、このおばさんは母親かな。
「なにか?」
「あぁ!そうそう!最近泊まってた妖精種なんだがねぇ」
鼓動がはやくなる、最近泊まってた妖精種というと、あの商人のことかもしれない。
「そ、それって!商人でしたか!?」
「うぇ!?いや、そこまではわからないが、商人って言えばそんな感じだったかねぇ?」
ここにきて初めての情報だ、しかもここに泊まっていた。
「それでねぇ、これ」
「これは?」
ポケットから取り出したのは本だった。
それを妖精ちゃんに渡すと、さっきまで人間の手のひらサイズの本は、妖精ちゃんが触れた瞬間、妖精ちゃんの手に収まるくらい小さくなった。
「これは、妖精魔法の本?」
「その妖精がね、置き忘れていったのよ、妖精は帰ってこないわその本は置き去りにされてるわで困ってたのよ。」
妖精ちゃん受け取った本を開く。
「コケ?」
なんて?
「これは日記みたいね」
いきなり鳴いたせいでおばさんが驚いていたが、今は妖精ちゃんが近くまで持ってきてくれた日記を読む。
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XXX年 3月 17日
今日はいい商品が手に入りウキウキで村に帰るとなにやら騒がしい、村長様に聞くと村娘のルーリが家に帰らないらしい。
夜は遅く、学校はとっくに終わっている時間だ。
ルーリの父親とは仲が良く、いい飲み仲間でもあった。
ルーリの居場所がわからないらしい、両親の顔は蒼白で2人肩を抱き合っていた。
一応励ましはしたがやはり心配だ、はやく見つかるといいが…
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xxx年 3月 18日
ルーリの行方がわからなくなってから一夜明けた、やはりルーリは帰ってこなかったらしい。
両親の顔には隈が出来ていた、心配で寝てないのだろう。
居た堪れない気持ちだ、しかしそれは俺だけじゃない、村のみんなが同じ気持ちだ。
夜
村長様達が会議をした、結果は明日の早朝に村の外を調査するそうだ。
俺も参加したかったが、俺も稼がないと食っていけない。
俺も明日にラーフ村に行くことにしよう。
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xxx年 3月 19日
昼
出発する為、荷物をまとめるが村長様に呼ばれ村の大人達が集められた。
話によると、ローガンの森に強力な魔物が集まっていると言うことだった、そのかわり村近辺は魔物が今までにないくらい減っていたらしい。
これはルーリの行方不明に関係があるのでは?、行方不明に続きローガンの森の異常、不自然とまではいかないが何かがあるかもしれない。
ラーフ村はローガンの森に近いためなにかわかるかもしれない。
情報を集めてみよう。
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これは、ルーリが行方不明について書かれている。
「こ、これ!!もらってもいいですか!?」
「あ、あぁ、もちろんだよ。」
俺たちは借りた部屋にいき、続きを読むことにした。
もしかしたら、これにルーリについてもっとわかるかもしれない。




