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プロローグ

今日も今日とて残業だ、俺は大原麻人おおはら あさと

普通のサラリーマンだが、たぶん俗に言う社畜だろう。

もちろん俺にとっては普通に仕事をしてるだけだが、どこか同僚と違う気がすると最近思えてきた。

他の同僚は仲間と飲みに行ったり休み時間に笑って話したり、俺は飲みに行ったりなんてしなかった。

確かに何回かは誘われたのが記憶にある、しかし仕事が残ってるからと断り続けていると、次第に同僚から距離を置かれた。

だってそうだろ?仕事がまだ終わってないんだ、休む訳にはいないだろ?

そんなことを考えながら今日のノルマは達成した。


「さて… 帰るか…」


時間は… 10時をまわってるな。

終電までには間に合う。


地下鉄に入り、珍しく誰もいない駅で電車を待つべくベンチへと腰をかけた。


「ふぅ… ベンチは腰にくるな…」


目を瞑って、ため息をつく。


ん? 隣に誰か座っていたか。それにしてもなんだこの妙な音は。


爪で木をかじっているような音だ。

俺はふと隣をみた。


チラッ


「なんだ、ニワトリか…」


ニワトリかぁ、地下鉄にニワトリねぇ

種類は烏骨鶏か、烏骨鶏?食用として飼われていて肉など高価格なあの烏骨鶏?地下鉄に?ニワトリ?ニワトリ!?


「ん!?」


二度見しベンチに座っているニワトリを見る


「コ…ココ ココ」


こいつも家畜として飼われてたんだよな…逃げたして来たのか?電車で逃げるなんて、人間かよ… 俺もこのままこいつについて行ったら…


あぁ!なに考えてんだ俺は…その後どうするんだよ…


キキーー


ん、そろそろ来るな…. 明日も頑張るか…


ニワトリは立ち上がり鉄道へと向かう。


ふっ、やっぱ電車に乗るのか、なかなかシュールな図だな。


黄色い線から出ないでくださいねー、てか。

はぁ… …



ボトッ



ん?ニワトリの方をみるとさっきまでいたニワトリが消えていた。いや違う


「まじかよ!!あいつ落ちやがった!」


電車が近づいてる、このままじゃ!


「あぁ!!くそっ!卵でも一つ500円もする種類だぞ!」


そこから俺は必死だった、なにか理由を見つけないと助ける意味なんてなかった。いや、違う!!なぜか自分と似てるように思えた!こいつに生きて欲しいって思った!親近感が湧いたんだよぉぉ!!


ニワトリを助けるために鉄道へと降りニワトリを抱きかかえる。


よし!早く出ないと


キキーーーー


「え…」


鈍い音は電車の音でかき消され、麻人が救出されたのは事故から1時間後の話しだった。

烏骨鶏を守るように抱きかかえていたが両方とも死亡が確認された。強い脳へのダメージ、内臓の圧迫による死亡だった。


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